苫小牧市豊川町2のお菓子の家ポムメリィに、魚をモチーフにしたフェルト作品のコレクションがお目見えした。手掛けたのは市日吉町の無職石川和則さん(67)で、店主の岡林たえこさん(57)は「魚に着目したフェルト作品は珍しい」と来店と鑑賞を呼び掛けている。展示は8月末まで。
石川さんは60歳で市内の企業を定年退職。6年前にふと、手芸店で鳥のフェルト作品キットを見掛けて手にし、作る面白さに魅了された。趣味が釣りとあって、魚の形にした小さなブローチの制作を始めた。
モチーフにしたのは、アメマスやサクラマス、ヤマメやイワナなど。形はもちろん、体表の色や模様を忠実に再現した。羊毛フェルトを素材に、特殊な針(ニードル)でちくちく刺して仕上げた作品は愛嬌(あいきょう)があり、釣り仲間に好評。3年前には釣り雑誌に紹介された。
一般に公開したことはなかったが、作品を知り、かわいらしさに引かれた岡林さんが「ぜひ多くの人に知ってほしい」と発表の場を設けた。店内には横幅約7センチのブローチを中心に、数種類の魚の成長過程を表現した作品や約20センチのオブジェを展示している。
鑑賞した市内の金融機関職員大沼徹さん(61)は「リアリティーがある。目が大きめの魚がかわいらしい」と作品に見入った。石川さんは「フェルトでまぶたを作るのは難しいが、今後もルアーで釣る魚を中心に作っていきたい」と笑顔を見せた。
午前11時から午後6時まで鑑賞できる。水、木曜日定休。問い合わせはポムメリィ 電話0144(75)0707。