千歳市の航空自衛隊千歳基地で19日、空自第2航空団、ドイツ空軍、スペイン航空宇宙軍による国内初の日独西共同訓練が始まった。スペイン軍の来日は初めてで、20日まで同基地周辺空域で、3カ国共同の編隊飛行などの訓練を展開する。19日午前はドイツ、スペイン両軍の戦闘機ユーロファイターなどの報道公開が行われた。
日本での訓練はスペインが初、ドイツは2022年以来2度目。空自の戦術技量の向上や相互理解の促進、「自由で開かれたインド太平洋」実現のための防衛協力のさらなる深化が目的。訓練の参加は、ドイツがユーロファイター戦闘機8機や各輸送機・給油機8機で人員約180人、スペインがユーロファイター戦闘機4機と輸送機2機の人員約150人、空自2空団がF15戦闘機4機をそれぞれ計画している。
19日午前はドイツのユーロファイター4機、スペインの同2機が千歳基地に到着。2空団の隊員約300人が出迎えた歓迎式典で、2空団司令の田中信隆空将補があいさつし、「部隊レベルの交流は将来にわたる連携強化の礎になる」と共同訓練の意義を説明した。
2空団飛行群指令で訓練指揮官の奥村昌弘1等空佐は「戦術技量の向上と連携強化ができると確信する」と期待を込め、スペイン軍の訓練指揮官ペドロ・エンリケ・ベルモンテ・ヒメネス准将も「訓練は新たな歴史を踏む一歩としてとても意義深い」と強調。ドイツ軍訓練指揮官のフランク・グレーフェ准将も抱負を述べた。
同基地では22~25日にも2空団とドイツ空軍による日独共同訓練が行われる。