苫小牧市の中学生広島派遣事業(29~31日)の事前研修が19日、市役所で行われた。派遣される市内の中学生5人が、原爆の惨禍について学ぶ決意を新たにした。
中学生に被爆地広島で戦争と平和への関心を高め、体験を広く市民に伝えてもらうことを目的とした事業。1995年に始まり、昨年までに140人を派遣した。
今年は広島平和記念資料館や、爆心地から最も近く400人以上の子どもが犠牲になった本川(ほんかわ)小学校の平和資料館などを見学。現地で語り部を続けている被爆者豊永恵三郎さんの体験談も聴く。
事前研修では互いに自己紹介した後、研修の目的などを確認。原爆投下直後の荒廃した街の様子や、被爆し重傷を負った人たちの姿を記録したDVDを視聴した。
開成中2年の笹島碧さん(14)は「戦争を知らない世代だが、核の怖さを感じる。貴重な体験で平和の大切さを学びたい」と抱負。ウトナイ中3年の林蘭々さん(15)も「海外でも戦禍が続いている。本当の平和とは何か考えたい」と述べた。