苫小牧市は、今年度で終わる「行政創革プラン」と「ICT推進プラン」を一本化し、新たな行政改革プランを策定する。ICT(情報通信技術)の発展を踏まえ、重複していた取り組み項目をまとめ、業務の改善や効率化につなげる狙い。2025年度から5年間の行政運営などを示す計画で、市は来年3月末の公表を目指して策定作業を進める。
新たな行政改革プランでは▽デジタル技術の積極的活用(自治体DX)▽財政の健全化▽変革・改革・改善(トランスフォーメーション)―の三つの方向性を掲げ、健全な財政運営やICTの積極的活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)、市民サービスの向上、業務効率化などの取り組みの観点を盛り込む考えだ。
これまで行政創革プランは行政監理室、ICT推進プランはICT推進室で担当。いずれも進捗(しんちょく)率が現時点で9割を超え、おおむね順調に計画を進めてきた。一方、AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)など、新たなシステムの導入により、重なる項目も少なくなかった。
このため、取り組みで重なっていた部分を共同で進め、それぞれの視点からのアドバイスを加えることで、さらなる業務の改善や効率化を図る。市ICT推進室は「将来的な人口減少に伴い、市職員数も減少する中、業務量は増え、働き方改革が求められる。総務部の仕事の見直しにもなる」と説明する。
6月28日に山本俊介副市長が、市行政改革推進審議会(関根久修会長)に諮問書を提出。同審議会は委員からの意見を受け、8月中にも答申する見通しだ。市は年度内の公表に向けて策定作業を進める考えで、市行政監理室は「新しいことに取り組むにはICTの観点が必要になる。さらに一歩踏み込んだDXの考え方を示したプランにしていきたい」と話している。