防犯教育のネット教材開発 子ども向け 無料で利用可能 エクスプローラー北海道

防犯をテーマにしたネット教材と佐藤代表理事。手前は小山さんが描いた漫画

 苫小牧市のNPO法人エクスプローラー北海道(佐藤一美代表理事)は、子ども向け防犯教育のインターネット教材「めざせ!ちいき安全マスター2・0」を開発した。学術的な専門性を備える一方、地元高校生に漫画を描いてもらうなど子どもに飽きさせない工夫も凝らした。使い方を解説する冊子を7月までに、市内の町内会や市教育委員会に配布し、佐藤代表理事は「地域の安全のために、子どもたちのリーダーシップを育めたら」と期待している。

   開発には国立青少年教育振興機構の「子どもゆめ基金」を活用。犯罪社会学の専門家として立正大(東京)の小宮信夫教授、教育学では上越教育大(新潟県)の蜂須賀洋一准教授の監修を得た。

   教材の対象は小学4年生以上で、地域安全マップ作りの経験者。2月にネットに公開済みで、「めざせ!ちいき安全マスター2・0」(https://anzenmaster.com/)から検索して無料で利用できる。

   教材は、犯罪に遭わないためのスキルや、安全な地域のポイントを学ぶ内容。子どもたちがまとまって安全を確認しながら登下校する「ウオーキングバス」の問題なども解きながら、理解を深めることができる。自身の習熟度を測れる4段階の認定テストを取り入れ、周りの大人に協力を働き掛ける方法も紹介している。

   説明文の漢字の多くに振り仮名を付け、写真やイラスト、動画をふんだんに使った。漫画による解説も加え、漫画の制作は拓勇東町内会の高校生役員で駒大苫小牧高3年の小山明日香さん(18)が手掛けた。自身も小学生の頃の地域安全マップ作りで「危険な場所を避けて過ごすことを心掛けるようになった」といい、教材を使って「全国の児童生徒が安全、安心に過ごせるようになってほしい」と話した。

   佐藤代表理事は「子どもが主体的に防犯活動に関わり、後輩や大人にも教えることができたら地域の安全は高まる。今後は防災をテーマにした教材も作りたい」と意欲を見せている。

   問い合わせはエクスプローラー北海道 電子メールexplorerhokkaido@anzenmap.com。