苫小牧海上保安署と苫小牧市消防本部は7日、船舶火災を想定した合同救助訓練を市内入船町の苫小牧港・西港入船埠頭(ふとう)で行った。同海保の巡視艇「りゅうせい」(125トン)を火災が発生した漁船に見立て、船内に取り残された乗組員の救助に連携して当たった。
両機関が1969年に締結した船舶火災に関する業務協定に基づく訓練で、毎年実施。計約30人が参加し、救助の流れを確認し合った。
訓練は、着岸中の漁船から出火し、逃げ遅れた負傷者がいる想定で、負傷者数や倒れている場所などを変えて繰り返した。初回は船の構造に詳しい海保署員2人の誘導で、消防隊員7人が次々と船内に進入。発見から15分ほどで負傷者を船外に運び出した。市消防は船体の周りにドローンも飛行させ、熱感知機能で船内の様子を探った。
訓練を見守った同消防本部の三戸英充次長は「メンバーの入れ替えもあるので、訓練を継続し、顔の見える関係をつくることは大変意義深い」と強調。同海保の一和哉署長は「訓練を通じて意思疎通や対応の方法などを確認し、連携強化を図りたい」と述べた。