「樽前山の登山自粛を」多言語で要請 道が看板設置

「樽前山の登山自粛を」多言語で要請 道が看板設置
樽前山5合目周辺に設置された「登山禁止」を多言語表記した看板=苫小牧市丸山

 樽前山(1041メートル)の登山道「東山コース」の改修工事に伴い、今季の登山自粛を求めている道は先月、新たに多言語で「登山禁止」と記した看板を5合目周辺3カ所に設置した。7合目ヒュッテの管理人よると、これまで土日祝日の好天時に数十台の路上駐車が見られたが、8月以降は車や登山者も少なくなっているという。あす11日は山の日。

   東山コースは7合目から頂上までの延長約1500メートル。管理者の道が1991年度までに整備した丸太の階段やロープの防護柵などが長年の風雨で劣化したため、2023年度から2カ年計画で改修工事を進めている。今年度は木製ベンチや丸太の更新作業に加え、雨水による浸食を抑えるため新たに水の通り道も設置する。

   登山道整備に伴い、胆振総合振興局や苫小牧市などは安全確保と環境保全のため東山コースに加え、7合目ヒュッテ駐車場と5合目から同ヒュッテまでの市道樽前山観光道線への立ち入りを制限。4月からホームページで登山自粛を呼び掛けている。しかし、その後も知らずに訪れたり、施錠した5合目ゲート前の道道沿いに車を止めたりする登山者がいるという。

   市は今年度も7合目ヒュッテに管理人を置き、登山者を見つけた際は立ち入り禁止の経緯を説明。同振興局は7月下旬に日本語、英語、中国語、韓国語で「登山禁止」と記した看板を設置した。

   工事期間は11月末までの予定だが、7合目に向かう市道、道道は冬期間閉鎖に入るため、登山道の運用開始は来春を見込む。同振興局環境生活課の徳永昇課長は「今季は工事車両も行き交い危ないので、改めて登山の自粛をお願いしたい」と話している。