苫小牧市内の教職員を対象にしたヤングケアラー研修講座がこのほど、市教育福祉センターで開かれた。オンラインを含め約60人が参加。市こども相談課の米田浩二相談監が講師となり、当事者の意思や望みに寄り添う重要性を伝えた。架空の事例で支援方法を検討するグループワークも行われた。
市教育研究所主催。ヤングケアラーへの啓発を地域全体で進めるため、小中学生の保護者にも参加を呼び掛けた。
米田相談監は、一般的な子どもの手伝いでは、その有無で家庭生活に大きな影響は出ない一方、ヤングケアラーの家事は本人に役割が固定され、無くなると家庭生活を維持できないと説明。その上で「子どもには、ヤングケアラーでいるかどうかを自分で決められる権利や選択肢がある」と強調し、本人の意向を丁寧に聴き取ることが大切だと伝えた。
グループワークでは、小学4年の女子児童が単身赴任中の父や仕事と家事で忙しい母に代わって弟の面倒を見ている―という架空の設定で、家庭との関わり方を探った。
参加者からは、家事支援サービス活用や保育園の利用時間延長などによる家事・育児負担軽減の提案などさまざまな声が上がり、母が抱えるストレスに着眼し「まずはメンタル面のケアが必要」という意見も出た。