苫小牧やきそばが給食に 総経高の生徒考案、初提供

みそ味の苫小牧やきそばに舌鼓を打つウトナイ小の児童

 苫小牧市東部の小中学校と義務教育学校計12校の学校給食に8日、苫小牧総合経済高校マーケティング部が考案した「とまこまい焼きそば」が登場した。同部念願の学校給食化へ、みそ味にこだわって開発。児童生徒らに大好評で、部員たちは「感無量」と口をそろえる。

   苫小牧やきそば(給食メニューの表記は、とまこまい焼きそば)はホッキ貝の削り節(ほっき節)を使用し、東胆振産の食材をできるだけ活用することを原則に作る焼きそばで、2018~20年に同部が考案。「苫小牧のソウルフード」を目指し、歴代部員がイベント会場などで販売し、飲食店でも提供されてきた。

   市内の子どもたちにも味わってもらおうと、同部が市に給食メニュー化を提案。今年1月、市学校給食共同調理場と試作品づくりに着手した。中田心優部長(17)は「児童生徒が食べやすいよう辛味を減らすなど、試行錯誤を重ねた」と振り返る。

   みそのまろやかなコクと地元のほっき節を組み合わせた、うま味十分の特製だれが特徴。麺は道産の「ゆめちから」を使用した。新明町の製麺所「こんの」の協力で、もちもち感がありながらコシもあり、たれとの絡みの良い麺に仕上がった。

   ウトナイ小の1年1組(32人)では、配膳されると「普通の焼きそばと違う」「毎日これがいい」と大喜び。この日はコッペパンも提供され、挟んで焼きそばパンにして食べる児童もいた。渡辺百佳さん(7)は「今まで食べた焼きそばの中で一番おいしい。おうちでも食べたい」と笑顔を見せた。

   各校から完食の報告が寄せられ、中田部長は「多くの人たちの支えがあって給食化でき、感無量。家庭でも苫小牧やきそばの存在を伝えてもらえれば」と、認知度アップに期待を込めた。

   この日は12校で計4978食提供され、17日にも市内中部と西部の学校給食に登場予定。後日、各校で行うアンケートの結果を基にさらなる改良を模索していく。