宇梶さんに食いつく

宇梶さんに食いつく

 フジテレビ系(UHB)ドラマ反町隆史さん杉野遥亮さんダブル主演「オクラ」人情深い昭和刑事とクールな令和刑事の凸凹バディが”お蔵入り”寸前の未解決事件に挑む!

   8日火曜日に初回スタートしましたが、ご覧いただけましたでしょうか? 井戸端会議好きの主婦刑事として、わたしも出演させていただいております。

   というわけで、この秋はおかげさまでドラマ撮影の日々。早朝からフジテレビに入り、普段着ない衣装のスーツに着替え、ヘアメークをしていただき、主婦刑事「牧原祈里」に変身していきます。緊張感ある瞬間に、精いっぱい向かっております。

   さて、撮影の合間は、前室というところで皆スマホを見たり、台本を読んだり、コーヒーを飲んだり、意見交換したりしているのですが、そこで飛び出してきた先輩刑事役、宇梶剛士さんからの「北海道」という言葉。なになに、北海道とおっしゃいましたか? と即座に食いつくわたし。

   「宇梶さん、いま北海道と?」「そうそう俺ね、ウポポイのアンバサダーをさせてもらってるんだ」「うぽぽい、とは?」「アイヌ文化をテーマにした施設のアンバサダー。それに俺の母親、浦河町の出身なんだ」「はい」「阿寒のアイヌシアターの出し物のナレーションも俺させてもらってて」「はい」

   「アイヌ料理もよく食べにいくよ」「どんなものがアイヌ料理なんですか? 肉ですかね」「肉はシカくらいかな。キトピロとかシケレペとかね」「え、な、なんですか?」「キトピロっていうのはギョウジャニンニク」「ほうほう」「最近では東京でも買えるとこあるよね」「ギョウジャニンニクって北海道のものでしたか、シケレペとは?」「木の実木の実」「木の実、どう食べるわけですか?」「おかゆ混ぜたりさ、俺は焼酎に漬け込んだものを割って飲んだりして」

   こんなに北海道通の人が隣にいたとは。初耳の情報に驚いていると「俺さ、苫小牧はもう30回は行ってるよ」「30回ですか!」「先輩がいてさ、苫小牧で飲む。翌日はその先輩に車借りて北海道を車でね、まわるわけだ!」

   宇梶さんの話を聞いているだけで、どこまでも続く青空と道を容易に想像ができた。「北海道に住みたいねー」と宇梶さんが笑い、窓のない前室の空気がふわりと軽くなった。

  (タレント)