市民会館で音楽、アート 「ファーデイ」初開催 苫小牧

市民会館で音楽、アート 「ファーデイ」初開催 苫小牧
市民会館のホワイエで演奏する地元のロックバンド

 苫小牧市出身のロックバンド「NOT WONK(ノット・ウォンク)」の加藤修平さん(29)が発案した初のイベント「FAHDAY(ファーデイ)2024」が12日、市民会館で開催された。「表現の交換市」のスローガンに賛同した市内のバーやカフェ、ライブハウスと合同で企画。音楽やアート、食などを堪能できる会場に市内外から約2000人が詰め掛けた。

   会場は、2026年4月以降に解体予定の市民会館を丸ごと使用。各所を映像や写真、オブジェなどのアート作品が彩り、小ホールや大ホールのホワイエでは道内のミュージシャンらが無料ライブを繰り広げた。

   ホワイエで演奏した苫小牧のロックバンド「BANG LANG」のギター・ボーカル觸澤太遥さん(25)は「(市民会館は)成人式に使われる場所。ライブができて楽しい」と笑顔だった。

   駐車場にはDJの音楽で踊れる空間が設けられ、市内や近郊の飲食店を中心に約30店が並んだ。錦町のすし店「鮨鷹」の店主松本悠希さん(37)は「音楽フェスで初めてすしを握った。地元の手作り感が素晴らしい。誘ってもらえ、感謝している」と喜んだ。

   大ホールの有料ライブにはEGO―WRAPPIN’など4組が登場。シンガー・ソングライターカネコアヤノさんらを目当てに訪れたという千歳市の相馬桃香さん(32)は「苫小牧にはいろんなものがあってうらやましい」と声を弾ませた。トリを飾ったNOT WONKの加藤さんは「市民会館が壊されるのがもったいなくて、今回のパーティーを立ち上げた。あしたからの生活が何か違ったものに見えたら、いいなと思う」と話していた。