衆院に小選挙区比例代表並立制が導入され、今回は通算10回目の節目の選挙戦となる。北海道はかつて「旧民主党王国」とされ、自民党本部が脅威に感じた地域。道内12小選挙区では、与野党伯仲の激戦を繰り広げてきた歴史がある。
小選挙区比例代表並立制で初めて実施された1996年は、自民が5勝だったのに対し、旧民主(5勝)と旧新進(2勝)が7勝と野党が勝ち越した。
2000年6月は、自民と旧民主が共に6勝と互角の勝敗に。03年11月は旧民主が7勝と自民(5勝)に再び勝ち越した。
小泉政権下の「郵政民営化」を大きな争点とする05年9月の総選挙も、道内は旧民主が8勝と自民(4勝)に勝利。全国的に「政権交代」の強い風が吹き自民が下野した09年8月の選挙戦は、旧民主が11勝と自民(1勝)に圧勝した。
流れが変わったのは東日本大震災翌年の12年12月の総選挙。旧民主が下野し、自民が「政権奪還」を果たした選挙戦で、道内でも自民が11勝、公明1勝と与党勢力が完勝。安倍政権下の14年12月も自民8勝、公明1勝と与党が4分の3の選挙区で勝利し、旧民主は3勝にとどまった。
ただ、直近2回は与野党が再び伯仲。民進党が立憲民主党と希望の党に分裂した直後の17年10月は、与党が7勝(自民6勝、公明1勝)で野党が5勝(立憲民主4勝、無所属1勝=当選後に立憲入り)。前回の21年10月も与党が7勝(自民6勝、公明1勝)、立憲民主が5勝と拮抗(きっこう)している。
小選挙区選挙は風に大きく左右されるのが特徴。09年と12年の選挙戦では与野党の議席が、道内では「オセロゲーム」のように入れ替わった。今回は政治とカネの問題による政治改革が大きな争点となっている。