映画「心平、」公開 奥野瑛太さん舞台あいさつ 苫小牧

映画「心平、」公開 奥野瑛太さん舞台あいさつ 苫小牧
舞台あいさつする奥野さん(左)と山城監督

 苫小牧市出身の俳優奥野瑛太さん主演の映画「心平、」の上映が19日、本町の映画館「シネマトーラス」で始まった。初日は奥野さんと山城達郎監督が2回の舞台あいさつに臨み、いずれも満席となった。

   「心平、」は東日本大震災から3年後の福島県が舞台の人間ドラマ。田畑を手放した農家の葛藤を、奥野さん演じる軽度の知的障害がある長男の心平の存在を通じて描く。

   奥野さんは、原発事故に遭った福島県の農村を舞台にした本作で主演を務めるに当たり「勇気が要った」と振り返りながら「改めて(被災地を)見詰める機会をもらい、うれしかった」と話した。

   同館での主演作の上映は3回目となるが「地元での上映はそわそわする。(出産時に)僕を母親から取り上げた看護師がお客さんにいることもあって、いろんなことを感じながら、立っている」と照れ笑い。

   質疑応答で役作りについて問われると、「作り込まないが監督の想像力を超えられるか、超えられないかのやりとりはある」と説明。山城監督も「イメージを超えた感じが積み上がっていく感覚はこの映画にもあった」と述べた。

   この日は2回の上映で、110人が来場。ときわ町の市村聰子さん(71)は「以前見た(奥野さんの)作品とは全く違う印象の役で驚いた。振り幅の広い役者」と感心していた。

   同館での上映は11月1日まで。