道は、道内市町村の2023年度決算概要を発表した。収入に対し借金の割合を示す実質公債費比率が、国の関与が強まる財政再生基準(35%)以上の市町村は前年度同様に夕張市(67.2%)のみにとどまった。日高町は14.0%と前年度から0.2ポイント悪化し、179市町村中、前年度同様にワースト9位だった。
道内市町村の普通会計決算は、歳入の合計が前年度比127億円(0.3%)増の3兆8912億円。過疎対策事業債や一般廃棄物処理事業債など、地方債の増加が全体の歳入の微増につながった。一方、歳出も前年度比221億円(0.5%)増の3兆8191億円。物価高騰対策給付金などの扶助費が増え、全体の増額につながった。
歳入総額から歳出総額を差し引いた形式収支は721億円の黒字。これから翌年に繰り越す財源を差し引いた実質収支も、607億円の黒字となった。
実質公債費比率が財政再生基準を上回った夕張市は、歳入が110億9000万円、歳出が110億6000万円で、形式収支は3000万円の黒字。実質収支はゼロ。実質公債費比率は前年度から0.2ポイント改善して67.2%となった。地方債残高や一般会計が将来負担すべき実質的な負債を表す将来負担比率は171.7%となり、前年度(220.7%)から49ポイント改善した。
白老町は、実質公債費比率が前年度から0.7ポイント改善したものの10.8%で、安平町と同じくワースト39位。苫小牧市は0.6ポイント悪化して7.7%となり、120位だった。
胆振東部地震の被災地の厚真町は1.8ポイント悪化して13.4%となり、ワースト15位。むかわ町は0.2ポイント改善して8.5%となり、98位となっている。
公営企業会計決算の概要では、776事業のうち経常収支が黒字なのは全体の約8割に当たる614事業で、赤字は約2割の162事業。病院事業で資金不足額を持つのは3事業。空知管内奈井江町の国民健康保険病院事業会計の資金不足比率は13.9%、新ひだか町の病院事業会計が2.5%、根室管内別海町の町立別海病院事業会計が0.3%となった。