衆院選の道9区(胆振・日高管内)で舌戦を展開する共産党新人の立野広志氏(67)、自民党新人の松下英樹氏(34)、立憲民主党前職の山岡達丸氏(45)=届け出順=。3氏は遊説や街頭演説などを通して、政策などを有権者に訴えている。公示日の第一声や選挙サンデー(20日)の演説を通し、それぞれ何に力を入れて主張しているのか分析した。
暮らし、平和、人権を守る 立野広志候補
立野氏は、共産党への支持呼び掛けに比重を置く。比例代表道ブロックの議席確保が最大目標とあり、同党の政策について丁寧に説明しつつ、自公政権への批判を強めることで、支持層を固め無党派層への浸透も狙っている。
「政治とカネ」の問題では「自民党政治に対する特効薬は共産党が伸びること」と言い切り、企業団体献金の禁止などを主張。道9区に「自民党政治のゆがみが大きく影響している地域」と指摘し、市民の暮らし、平和、人権を守る訴えを展開し「国政を変えなければいけない」と説く。
当たり前の初心忘れず 松下英樹候補
松下氏は、公示直前に出馬が決まったため、選挙戦序盤は自身の経歴や立候補に至った背景の説明に時間を割く。第一声では「胆振・日高のため、必ず勝ちたい」と決意表明にも力。自己紹介で若さや子育て世代であることも主張し、教育分野や産業振興など政策を説明する流れだ。
自民党派閥の裏金事件にも触れるようにし、堀井学元衆院議員との結びつきが強い室蘭、登別、苫小牧の3市では謝罪した上、「誰よりもクリーンな状態。当たり前のことを当たり前にする初心を忘れない」と自身のアピールにつなげる。
政治を変える大きな結果を 山岡達丸候補
山岡氏は、「政治とカネ」の問題に時間を費やす。堀井学元衆院議員の辞職を念頭に「道9区が公職選挙法違反の舞台になった」と批判を強めつつ、政権交代に向けて「道9区から政治を変える大きな結果をつくっていく」と意欲を燃やすのが定番だ。
4選を目指して新人を迎え撃つ立場らしく、政策の訴えに実績の紹介を織り交ぜ、訴えに厚みや説得力を持たせるのが特徴。経済政策では衆議院の経済産業委員会筆頭理事として、苫小牧のCCSなど脱炭素分野を取り上げてきたことを丁寧に説明する。