胃・大腸がんの早期発見や診断、治療の大切さを伝える苫小牧市民公開講座「胃・大腸がん検診に行こう! 2024」が19日、苫小牧市内のホテルで開かれた。市民ら約100人が来場し、内視鏡による胃・大腸がん検診の有用性について学んだ。
武田薬品工業(東京)が主催し、苫小牧市医師会と市が後援した。
市内の医療機関から3人が講演。加藤胃腸科内科クリニックの加藤茂治院長は「バリウム検査では進行がんしか見つけられない」と訴え、王子総合病院消化器内科の南伸弥主任科長は「胃カメラ検査で発見したがんはESP(内視鏡的粘膜下層剝離術)で完治させることができる」とした。市立病院消化器内科の加藤貴司理事は「健診による胃のバリウム検査の結果、慢性胃炎と言われたらピロリ菌の検査を」と呼び掛け、それぞれ「定期的な胃カメラ検査を受けることで、胃がんは治すことができる」と熱弁を振るった。
東邦大学医療センター大森病院(東京)の消化器センター内科センター長、松田尚久教授による特別講演「大腸がん検診の最新情報~早期発見で命を救う」も行われた。松田教授は「大腸がんは比較的進行がゆっくりだと考えられる。一度大腸カメラで検査すると、がんのリスクはかなり減るし、内視鏡検査の活用で根治できる割合も増えている」と定期的な検診の重要性を訴えた。