衆院選 新選良に何望む 苫小牧市内の有権者

衆院選 新選良に何望む 苫小牧市内の有権者
思いを込めた一票を投じる有権者

 27日に投開票された第50回衆院選は与党の自民、公明両党の議席が過半数を割り込む結果となった。三つどもえとなった道9区(胆振、日高管内)は立憲民主党の山岡達丸氏が自民、共産各党の新人を破り、4選を決めた。苫小牧市の有権者は結果をどのように受け止め、新選良に何を望んでいるのか。街の声を聞いた。

   錦町の時計店店長山口敏文さん(51)は、自公で過半数の議席を確保できなかったことについて「開票前に予想はできたが、ここまで追い込まれるとは思わなかった」と驚く。その上で「SNSなどで候補者の情報を見極めやすく、有権者はしっかりと判断できたのでは」と分析。小選挙区で勝利した山岡氏には「今後もきめ細やかに地域の意見を吸い上げ、街の課題解決につなげてほしい」と期待を寄せた。

   拓勇西町の会社員山口竜也さん(24)は「自民党は裏金問題などで国民の信頼を失っていたので、与党の議席が過半数を下回るのも当然の報い。野党が政権を握るイメージはあまりないが、日本が変わるような方向に進んでくれたら」と願った。

   澄川町の主婦矢本節子さん(75)は自民の大敗について、非公認とした候補の党支部に活動費2000万円を支出したことで印象を下げたとし「首相は代わっても、党の体制は変わらない」と冷ややか。「未来を担う子どもたちが暮らしやすい社会の実現へ国民に寄り添った政治を」と訴えた。

   生活雑貨販売店を経営する双葉町の菊地利奈さん(44)は「(政治とカネを巡る問題や疑惑の責任を取るとし)身近な地元政治家が辞職し、考える部分もあったが、不透明なことが鮮明になる選挙だった」と指摘。物価高騰が暮らしを直撃している状況に「地域の声が政治の議論の場に反映されるまでには長い時間がかかるが、不満を増やさない取り組みが必要」とスピーディーな経済対策を求めた。

   「子育て世帯の思いをくみ取ってくれそうな人や政党を選んだ」と語るのは、拓勇東町の主婦川元茜さん(42)。「子育てにはいろいろとお金がかかる。保育料無償化みたいな、応援してもらっていることを実感できる政策を進めてほしい」と望んだ。

   地域福祉に携わる光洋町の団体職員松崎愛さん(42)は「裏金問題にばかり焦点が当たり、国民のための選挙戦ではなかった。この政策に賛成なので―という積極的な投票ではなく、自民党が駄目だからほかに入れるという消極的な結果にすぎない」と指摘。「国をつくるための選挙ですら期待感を抱けないような状態だからこそ国民は声を上げ、行動していかないといけない。もっとみんなが政治に関心を持たないと何も変わらない」と述べた。