苫小牧市内のデイサービス施設などでつくる苫小牧通所介護連絡会(富樫優会長)は23日、市民会館で高齢者虐待をテーマとした研修会を開き、約90人が出席した。市中央地域包括支援センターの浅野豊さんが講師となり、施設従事者からの虐待に分類される行為について解説。参加者が改善すべき自分の行動を他の参加者と共有するグループワークも行った。
同連絡会は通所介護の質の向上や会員の交流機会として、テーマを変えながら研修会を実施。今年度から介護に関わる施設で高齢者虐待防止の推進が義務化されたことから、今回のテーマに設定したという。
浅野さんは、高齢者虐待が▽身体的▽介護・世話の放棄、放任▽心理的▽性的▽経済的―の五つに分類されることを説明。認知症の人が外に出ないように鍵をかけて室内に閉じ込めたり、相手が望んでいないのに名前に「ちゃん」を付けて呼ぶことも虐待に当たる可能性があるとして、「高齢者虐待を防止するには個人のスキルアップに加えて組織の改善が不可欠」と強調した。
グループワークでは、参加者がこれまでの自分の行動や職場内の様子を振り返り、「改善した方がいい」と思う行動を共有した。「『ちょっと待ってて』『立たないで』など命令口調の言葉遣いをしていた」「食事介助の時にむせないよう、相手の顔の向きや姿勢を(介護者側の都合で)変えていた」など、相手の気持ちを考えない行動を反省する声が上がった。