苫小牧市教育委員会は25日、定例委員会を市役所第2庁舎で開き、市内の小中学校37校で今夏使用された移動式冷風機(スポットクーラー)の効果について検証結果を報告した。各校への調査を9月に実施し、「教室での効果は限定的となったが、一定の効果は得られた」と説明した。
スポットクーラーは今年度、小中学校の普通教室に581台、保健室に37台の計618台を導入した。購入費は約2690万円で、1台当たり約4万3000円。「熱中症警戒アラート」の発表時や教室内で高温状態が続いた時に各校が判断して稼働させた。
使用に関する各校への調査では、普通教室について6割(37校中22校)が「(教室が広いため)効果を実感しにくい」、残る4割(同15校)が「涼しい」と回答。保健室などの狭い空間では7割(同27校)が「涼しい」と答え、有効性が確認されたことを伝えた。
また、各校の平均電気使用量(6~8月)は7月のみ前年を約20%上回り、6月と8月はそれぞれ約8%、約2%下回り、大きな上昇は続かなかったことを報告。「電気使用量の増減にクーラーの使用が関係したと断定はできないが、苫小牧市のゼロカーボン宣言に従い、適切な使用を呼び掛けたい」と来年度も引き続き活用する考えを示した。