各党、候補擁立の動き加速 不戦敗続く立憲、共産も意欲 苫小牧市長選

各党、候補擁立の動き加速 不戦敗続く立憲、共産も意欲 苫小牧市長選

 岩倉博文苫小牧市長が体調不良を理由に辞職することに伴い、後任を決める市長選が12月1日告示、同8日投開票に決まったことを受け、市内でも候補の擁立を探る動きが加速しそうだ。11月5日付に予定する市長の退職をもって正式に表面化する見通しだが、自民党の市議会議員金沢俊氏(50)の名前が挙がる他、近年の市長選では「不戦敗」が続いていた立憲民主党や共産党も候補の擁立に意欲を見せる。

   金沢氏は2007年の市議選で初当選し、現在5期目。19年から2年間は議長も務めた。現在は市議会の最大勢力で自民系会派・新緑の会長。22年9月に自民党道議で同党苫小牧支部長だった遠藤連氏が引退を表明した際、金沢氏は後任候補として名乗りを上げたが、遠藤氏が板谷良久氏=現道議=を後継に指名した上、金沢氏に「努力して市長を目指してほしい」などと激励した経緯がある。

   このため今回の市長選では金沢氏の名前が真っ先に挙がるが、金沢氏は苫小牧民報の取材に対し「今は申し上げる段階ではない」と述べるにとどめる。自民党苫小牧支部の関係者も「現時点で話し合いの場が持たれたわけではなく、確約されたものはない」としており、金沢氏の動向を注視している。

   一方、立憲民主党は、民主党時代を含めて市長選では2014、18、22年と3回連続、岩倉氏の対抗馬を擁立することができなかった。有権者に選択肢を示すことすらできない状況が続いているだけに、同党苫小牧支部の佐々木修司幹事長は「候補を擁立する方針」と前置きしつつ、「今コメントできるものはない。候補擁立に向け、早急に議論していく」と説明する。

   共産党苫小牧地区委員会の小野寺幸恵委員長も「選挙にすることが大前提。あらゆる方向で模索する」と強調する。ただ、同党も18、22年と2回続けて候補を擁立できず、「独自候補に固執していない。協力できる団体や個人と話し合いながら、出してきた政策を見て応援することもあり得る」と話している。