国に8・9億円返還 交付金の手続きミス 知事「給与減額を検討」 定例記者会見

国に8・9億円返還 交付金の手続きミス 知事「給与減額を検討」 定例記者会見
交付金手続きミスで国に8億9000万円返還すると発表した鈴木知事=1日午後、道庁

 鈴木直道知事は1日の定例記者会見で、国の新型コロナウイルス対応の地方創生臨時交付金と地方創生推進交付金を活用した補助金事業で2019~22年度に手続きミスがあったため、国に8億9000万円を返還すると発表した。4月に22年度のコロナ交付金を巡り7億3000万円を返還しており、返還総額は16億2000万円となる。知事は「重く受け止めており、道民の皆さんに対し申し訳なく思っている」と謝罪。「道政の責任者として私自身の責任についても条例改正が必要だが、給与の減額について検討していきたい」との姿勢を示した。

   新たにミスがあったのはアドベンチャートラベルや道産水産物の輸出拡大などに関する43事業。4月の事案を受けて、同様のケースがないか過去5年分を全庁的に調べたところ判明した。いずれも道の担当者が、補助金や負担金を年度内に事業者へ支払うと定めた交付要件を誤認し、翌年度に支払ったという。

   知事は「再発防止策に徹底的に取り組まなければならない」と強調。10月30日に庁議を開いて「全ての職員が本事案をわが事として受け止め、組織全体の問題として不適正事務の防止に全庁挙げて取り組むよう指示した」と述べた。財務に関する関係規定を改正したほか、幹部職員で構成する内部統制推進員会議も設置したことを明らかにした。

   今回の事案に関係した職員に対しては「事務処理の誤りが発生した経過などを詳細に確認し、状況を十分見極めた上で、賞罰委員会の所定の手続きを経て適切に対処していく」と語った。

   また、10月27日に投開票された第50回衆院選で自民、公明の与党が大敗し、過半数割れして少数与党となったことについて、知事は「さまざまな意見はあるが、全て国民の判断があったというのに尽きる」と指摘。「政治とカネの問題が大きな争点になった」とし「北海道や日本のこれからをどうすべきなのか、有権者が十分に検討して投票行動につなげていくことが求められる中で、政治とカネの問題で政治の信頼が失われ、これからという声がなかなか届く以前の問題だったんだろうと思う」と述べた。さらに「解散から選挙まで非常に短い状況の中で、有権者の皆さんも(判断が)難しい選挙であったと思っている」と語った。