苫小牧市子ども・若者支援地域協議会(野見山慎一会長)の実務者会議が10月29日、市民活動センターで開かれた。構成団体・機関から約40人が出席して講演に耳を傾け、子どもや若者の健全育成には立場を超えた地域ネットワークが大切になることを再確認した。
同協議会は、不登校、ひきこもり、生活困窮などサポートを要する若い世代を地域ぐるみで支援するため、関係する行政機関や民間団体が2023年6月に発足させた。
この日の会議では、ソーシャルペタゴジーネット(札幌)の代表理事で、さっぽろ青少年女性活動協会のこども若者支援担当部長松田考さんが講演した。
松田さんは、不登校が長期間となり先を見通せない、病気の家族のケアで仕事ができないなど、これまでに出会った若者の事例を紹介。「低年齢児への虐待と違って緊急性は少ないが、状況は見守るだけでは好転しない」と指摘した。相談窓口や支援機関を増やしても、支援が届かない隙間が生じる場合があることも説明。隙間を埋めようとする家族や特定機関に負担がかからないよう、各機関が緩やかにつながり合う関係を構築することが重要と説いた。
このほか、野見山会長が同協議会の事務局を置く市青少年課の相談窓口「とまこまい子ども・若者なんでも相談案内KOWAKA(コワカ)」では4月から半年間で述べ56件の相談に対応したことを報告。高校生世代からの相談は4件にとどまったことから「さらに相談窓口の周知が必要」と語った。また、出席者が9グループに分かれ、所属機関の活動内容を互いに発表して交流する場も設けられた。