不登校を考える 京都洛友中の校長が助言 「焦らず受け入れを」

不登校を考える 京都洛友中の校長が助言 「焦らず受け入れを」
不登校への取り組みを説明する間野校長

 苫小牧市教育委員会は10月29日、京都市立洛友中学校の間野郁夫校長を招き、教育講演会「不登校の子どもたちのためにできること」を市文化交流センターで開催した。小中学校の保護者や教職員ら238人が参加し、不登校対策が進む同校の実践例に耳を傾けた。

   同校は文部科学省から「不登校特例校」の指定を受け、2007年開校。いじめや発達障害が理由で中学校に通えず転入した生徒や、「もう一度学びたい」という大人たちが昼と夜に分かれて登校する。授業は学習指導要領で定める年間1015時間に対し、同校は770時間で、間野校長は「一人一人に適した柔軟な学習で、学ぶ意図や楽しさを体感できる学校にしている」と話す。

   生活リズムが昼夜逆転している生徒も多く、始業時間は午後1時半。昼間部と夜間部の合同授業を設けることで大人たちと触れ合う機会もあり、学習や集団生活への不安を和らげたり、自信を付けさせたりしているという。

   出席率は約6割と必ずしも不登校が解消されているわけではないが、「それでも生徒を焦らせず、受け入れる姿勢を見せ続けることで心境に変化が生まれる。やる気になったタイミングを見極め、失われた自信を取り戻させることが大切」とアドバイスした。