10月の道内企業倒産 2カ月連続で前年比増 コロナ関連が約半数

10月の道内企業倒産 2カ月連続で前年比増 コロナ関連が約半数

 東京商工リサーチ北海道支社は5日、10月の道内企業倒産状況を発表した。倒産件数は前年同月比1件増の29件となり、2カ月連続で前年を上回った。20件を超えるのは10月としては3年連続。このうち新型コロナウイルス関連倒産は15件と全体の約半数を占めた。

   負債総額は56億9800万円となり、前年同月に比べ39%(15億9900万円)増加した。

   地域別では、札幌市の15件が最多。これに釧路市が4件、旭川市が2件と続いた。帯広、北広島、深川市でも各1件発生した。

   業種別では「サービス・他」が9件で最も多い。以下、建設業が8件、小売業5件、卸売業3件、情報通信業2件、1次産業と製造業が各1件の順。

   原因別では、不況型の「販売不振」が20件でトップ。これに「放漫経営」と「他社倒産の余波」「既往のシワ寄せ」「偶発的原因」が各2件で続いた。

   コロナ関連倒産は20件発生し、道内の累計は442件となった。

   10月の企業倒産に伴う従業員の被害者総数は113人。今年1月からの累計では1062人となった。

   同支社では「円安に起因する原材料価格や燃料価格の高騰など、物価高は価格転嫁が進まない企業の収益の重荷となっている」と指摘。こうした中、人手不足や人件費負担の増加、後継者難などに伴う複合要因が企業を直撃しており、「業績悪化から抜け出せない企業は多く、引き続き息切れが懸念される。道内の企業倒産は予断を許さない情勢が続く」と分析している。

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   帝国データバンク札幌支店も5日、10月の道内企業倒産状況を発表。倒産件数は前年同月比1件減の27件、負債総額は同44.2%(16億3200万円)増の53億2500万円となった。