心の健康や精神福祉に理解を広げる、東胆振精神保健大会(東胆振精神保健協会主催)が2日、苫小牧市民会館で開かれた。約60人が来場し、こころのリカバリー総合支援センター(札幌)所長阿部幸弘さんの講演を通じ、引きこもり当事者への理解や支援について学んだ。
阿部さんは精神科医として道内の病院や道立精神保健福祉センター(札幌)に勤務している。講演では、引きこもりについて「日本だけの現象」「ぜいたく病」「犯罪者予備軍」といった根拠のない俗説や偏見が社会に存在しているが、社会に違和感を抱いて引きこもっている人は古今東西にいることを説明。「引きこもりは千差万別で個別性が高い」とし、個別的で段階的な関わりが重要なことを説いた。
このほか大会では、長く精神保健福祉に関わってきた社会福祉法人白老宏友会に東胆振精神保健事業功績者感謝状が贈られた。同協会が9月に市内の商業施設で開いた「心のアート展」の表彰式も実施した。東胆振管内(苫小牧市、白老、厚真、むかわ、安平4町)の精神科医療機関などの利用者が手掛けた作品を展示し、来場者の投票で入賞作品を選ぶ取り組みで、今回は出品された59点から5点が入賞。最優秀賞に敦賀澄江さんの水彩画「白い狼」が選ばれた。