10月の道内景況 5カ月ぶりに悪化 小売など7業界悪化 不動産など2業界改善

10月の道内景況 5カ月ぶりに悪化 小売など7業界悪化 不動産など2業界改善

 帝国データバンク札幌支店は、10月の道内景気動向調査結果を発表した。景気DI(「良い」と回答した企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた数値)は前月比1.3ポイント減の44.1となり、5カ月ぶりに悪化した。業界別では小売など7業界で悪化し、不動産と卸売の2業界は改善した。

   全国(44.3)との格差はマイナス0.2ポイントとなり、4カ月ぶりに北海道が全国を下回った。

   企業の規模別では、大企業が前月比2.4ポイント減の43.7となり、2カ月ぶりに悪化。中小企業も1.1ポイント減の44.2となり、5カ月ぶりに悪化。中小企業のうち小規模企業も0.7ポイント減の44.5となり、2カ月連続で悪化した。大企業と中小企業の格差はマイナス0.5ポイントとなり、2カ月ぶりに中小企業が大企業を上回った。

   業界別では、不動産と卸売の2業界が前月から改善した。特に不動産は5.0ポイント増の52.2となり、景気判断の分かれ目となる50を上回り、業界では最も高い水準となった。

   一方、農・林・水産、金融、建設、製造、小売、運輸・倉庫、サービスの7業界は悪化した。特に小売は前月比6.9ポイント減の38.0となり、業界では最も低い水準に。サービスも1.4ポイント減の46.7となり、4カ月ぶりに悪化した。

   先行き見通しでは、「3カ月後」が44.0(前月調査46.1)、「6カ月後」が43.6(同45.0)、「1年後」が44.8(同45.8)。3指標とも前月より悪化予想となった。

   企業からは「取引については賃貸、売買ともに増えている」(不動産)、「新幹線延伸・再開発事業の増加が見込まれる」(建設)との声が寄せられる一方、「売り上げは回復傾向だが、原材料の価格上昇に価格転嫁が追いつかず、収益的には良くない」(飲食料品・飼料製造)、「節約志向が増している」(各種商品小売)との声も上がっている。

   調査は10月18~31日に、道内企業1143社を対象にインターネットで実施。510社から回答を得た(回答率44.6%)。