隔月開催で悩みを共有 男性介護者の集い 苫小牧

隔月開催で悩みを共有 男性介護者の集い 苫小牧
介護の悩みなどについて話し合う参加者

 家族を介護中の男性が集まり、日ごろの悩みや生活上の工夫などについて情報交換する「男性介護者の集い」が苫小牧市内で隔月開催されている。市東地域包括支援センターの主催で、2021年12月に閉店した住吉町の菓子店・ケーキショップヨコヤマの空き店舗を活用。毎回5、6人が参加し、会話に花を咲かせている。

   介護負担に加え、慣れない家事で心身共に疲れ切っている―といった相談が同センターに寄せられることが増えたのを受け、「男性特有の悩みを共有する場をつくりたい」と17年に始まった取り組み。時には市民活動センターや飲食店などに会場を変え、回数を重ねてきた。

   ケーキショップヨコヤマの店主だった横山重雄さん(77)が「(取り組みに)協力するよ」と申し出たことから、22年7月以降は同店跡で実施してきた。

   参加者の多くが80代で、病気の妻を介護中。認知症になった妻を介護しているという85歳の男性は9月の会合に初参加し、仕事一筋で退職後も趣味中心の暮らしだったが「急に家事を担うことになり戸惑っている」と心境を吐露。「特に料理が苦痛。少しでも病気の進行を遅らせたいと料理本を片手に妻に付きっきりで料理の手順を伝えて作ってもらっているが、いつまでこの生活を続けられるか」と不安を明かした。

   別の参加者は「自分も同じように感じる時期があった」「見よう見まねで料理し続けていれば何とか作れるようになった」などと男性の悩みに寄り添った。

   自身も若年認知症の妻を介護した経験を持つ横山さんは「進行を遅らせたいという思いはとてもよく分かる」と共感。周りの人たちに家庭の状況を知ってもらい、助けを得られたことで仕事を続けながら介護もできたと振り返った。

   普段は途中入退席自由の茶話会形式で行っているが今月19日は市東開文化交流サロンに会場を移し、事前申し込み制の料理講習会を予定。9月の会合での話題を踏まえ「同じように料理を大変に感じている人がいるのでは」と料理人の会員に講師を依頼した。

   当日は午前10時ごろ調理を開始し、完成した料理を味わいながら懇談する。

   同支援センターの伊藤靖代さんは「会員を男性介護者に限定したことで、おしゃべりが少し苦手な男性も安心して話をしてくれている。気軽に遊びに来てほしい」と話す。

   問い合わせは市東地域包括支援センター 電話0144(52)1155。