12月1日告示、同8日投開票の苫小牧市長選に出馬を表明している市議会議員金沢俊氏(50)は14日、事務所(若草町)開きに合わせて公約を発表した。スローガンを「のびゆく苫小牧」「選ばれるまち苫小牧」とし、子育て支援や産業経済など七つのビジョンを設定。岩倉博文前市長の意思を引き継ぎながら独自色を出し、「新しい苫小牧をつくっていく」と青写真を描く。
金沢氏は「岩倉市政を引き継いでいくことが大前提で、積み残しの部分は継続的に取り掛かっていく」としつつ、少子高齢化や人口減少などの課題や多様化する市民ニーズ、時代の変化に応じて独自の取り組みを進めるため、七つのビジョンを掲げた。
このうち「子どもど真ん中」と掲げた子育て支援の充実は、「大きなチャレンジ」の一つと位置付け。市内の出生数がおととしから1000人を下回っていることに触れ、「岩倉市政でもさまざまな取り組みをしてきたが、なかなか数字が改善していない」と指摘した上、「市としてどこまで拡大できるか、チャレンジしていきたい」と意欲を見せた。
また、千歳で工場を建設中の次世代半導体製造ラピダス(東京)や、苫東地域へのソフトバンク(同)の大型データセンター進出を踏まえ、「経済発展の余地がまだ残されている。ゼロカーボンといった新たなテーマや半導体関連企業の進出を取り漏れなく、効果を最大化することが必要」と強調する。
企業進出を積極的に促すことで雇用を生み出し、人口減少にストップを掛ける考えで、「国や道、経済界と一体となって、苫小牧に投資案件を持ち込みたい。医療や福祉、介護、教育の財源を生むことにつながる」と説明する。
この他、「教育のまち」では、困難を乗り越え、世界で活躍できる人材育成、「医療・福祉、防災」の観点では安心・安全なまちづくり、スポーツや文化を軸にした観光経済促進や健康増進などを盛り込んだ。岩倉市政で一定の道筋を示した駅前再開発、官から民への動きも加速させていく。
◇金沢氏が掲げる七つのビジョン
▽子どもど真ん中のまち
▽経済発展最大化のまち
▽よい環境と活力あふれるまち
▽教育のまち
▽医療・ふくし、防災のまち
▽「スポーツ×文化×観光×健康」のまち
▽市民総活躍のまち