苫小牧西港でチカ狙い 群れ小さくも型良し

20㌢前後の大きなチカが目立つ

 寒さが厳しくなって釣りの対象が限られてくるこの時期、釣り人たちが待望するのがチカ。今年は春の最盛期にいまひとつ振るわなかっただけに、晩秋から初冬にかけてのシーズンに期待が募る。12月上旬の休日の朝、苫小牧港・西港の船だまりを訪ねると数人がさおを出して魚の様子をうかがっている。まだ数釣りは難しそうだが、20センチ前後の良型が時折さおを揺らし、釣り人を楽しませていた。

   西港でチカ狙いのポイントと言えば例年、北埠頭(ふとう)のキラキラ公園、船だまり周辺など。この日は、西寄りの風が強く、日中でも気温が氷点下まで下がる厳しい寒さ。風を背にできる辺りで4組ほどが釣座を構えていた。

   苫小牧市大成町の柳谷利彦さん(55)は午前8時にさおを1本出し、10時前の段階で8匹のチカを上げていた。今季は春からチカの魚影が薄く、夏以降はずっと小~中型のサバの群れが濃かったという。「先週くらいからようやく掛かりだした。数はさっぱりだけど、型はいいみたいだね」と近況を教えてくれた。

   三脚脇のバケツをのぞいてみると、確かに20センチ前後の大チカが半分以上いた。なかなか太っていて、食べ応えのありそうなサイズ。大きいから釣り応えも満点だ。釣果は日によって一変するという。「きょうは後が続かない。単発で掛かるからなかなか厳しい釣りになっている」と笑った。

   柳谷さんは、はげ皮の付いていない素針のチカ用仕掛けを使っていた。針サイズは2・5号と小さめ。「このサイズのチカなら、もう一回り大きな針の方が使いやすいんだけれど」と言いながら、針にオキアミを擦り付けて仕掛けをその日の棚に合わせて垂らし、魚信を待っていた。

   カレイ狙いの投げ釣りも楽しむ柳谷さんだが、近年は「カレイの魚影も薄くなった」と残念がる。以前はほぼ年中釣れていたチカまであまりいなくなったと嘆きながら、寒さが本番となるこれからに淡い期待を寄せていた。

   周囲の数人の釣り人に聞くと、朝まずめ時間帯にやはり活性が高いよう。3日も、雨が落ちる前の朝方に少しまとまった数の釣りができたという。今季のチカは群れが小さいこともあり、「ポイント選びが重要」とベテラン諸氏は口をそろえる。釣り場では、先に入釣している人の状況や様子を参考にポイントや棚を決めるといい。