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むかわ町、シシャモふ化場を新築 21年度着工、復興のシンボルへ

2019/9/10配信

 むかわ町は現在のシシャモふ化場が老朽化したことを踏まえ、鵡川に近い場所に移転新築することを決めた。2021年度に着工し、22年度の供用開始を目指す。自然に近い川底を再現して産卵環境を整え、採卵数を現行の3倍に増やし、漁獲量の安定化を図る。地域団体商標認定の町魚「鵡川ししゃも」を同町を代表するブランドとして全国に売り出し、胆振東部地震の復旧復興に弾みを付ける考えだ。

 シシャモは全国でも北海道の太平洋沿岸だけに生息する魚。川でふ化して稚魚となり、周辺海域で1~2年かけて成魚になった後、川に戻ってくる。鵡川漁協では1966年に年間200トンの漁獲量があったが、その後は低迷し、91年から94年まで自主休漁した。その効果もあり、年間60~120トンまで復活したが、2011~15年は5年連続で30トン割れ。16年以降は資源管理の取り組みで50~70トンに持ち直している。

 同町産業振興課林務水産グループの太田剛雄参事は「台風など自然災害で河川が土砂で濁ることもある。自然産卵だけでは稚魚の確保が不安定で、資源回復にはふ化場の存在が欠かせない」と指摘する。

 現在のふ化場は1977年、同漁協が大原地区に建設した。築40年以上で老朽化が進んだことや、農業用水路から取水しているため水質や水量が安定しない課題を抱えている。このため2011年に新しいふ化場の建設検討委員会を設置。漁協や町、室蘭開発建設部、苫小牧河川事務所を交え、協議を進めてきた。

 計画によると、新ふ化場の建設地は洋光地区の鵡川大橋に近い町有地。鵡川からポンプで大量に引いた水を注ぎ、秋に捕獲した親魚を放す。全長20メートルのコンクリート製水槽4本に砂利などを敷き、自然の川底を再現することで産卵を促す。ふ化した稚魚は翌年の春に鵡川に放流する計画だ。

 新施設では規模を拡張し、採卵数を現在の5000万粒から3倍の1億4000万粒に増やす計画。将来的に年間漁獲量の3分の1がふ化場で放流した魚となることを想定している。

 町は19年度末までに実施設計を終え、鵡川から取水するための協議を国と進める。建物は町が数億円で建設し、同漁協が運営する。建設水道課の山本徹課長は「安定的な漁獲量につなげ、全国にアピールすることで復興に弾みを付けたい」と話す。また、同漁協の小定雅之専務理事は「徹底した資源管理でこれ以上シシャモが減らないよう努力したい」と期待を寄せる。

 例年10月1日解禁のシシャモ漁は産卵で川に遡上(そじょう)する11月上旬ごろまで漁を行っていた。今年はえりも以西海域ししゃも漁業振興協議会の申し合わせを踏まえ、平年より3~5日早く終了して資源保護を図る。

 シシャモのふ化場はむかわ町、日高町、釧路市、釧路管内白糠町の道内4カ所のみ整備されている。

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