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妻の遺志継ぎ高齢者「ふれあいサロン」 毎週土曜の憩いの場-かざし電気・嘉指社長

2019/9/5配信

 苫小牧市表町の電器店、かざし電気の嘉指(かざし)基博社長(60)は、今年6月にがんのため58歳で亡くなった妻、京子さんが生前立ち上げた地域の高齢者らが気軽に集い、交流する「ふれあいサロン」を開催し続けている。2人の思いが詰まった毎週土曜の憩いの場。このほど20回を超え、京子さんと一緒に構想した『まちの電気屋さんだからこそできる見守り活動』の実現への決意も新たにしている。

 21回目のふれあいサロンが開催された8月31日。昼時になると高齢者が次々に店に集まり、京子さんの写真に線香を手向けてから店内に設けられたテーブル席に着いた。

 この日はいなりずしとナメコのみそ汁が振る舞われ、参加者は会話に花を咲かせながら会食。食後はカラオケで盛り上がった。

 ふれあいサロンをスタートさせたのは、4月13日。3年ほど前、京子さんが嘉指社長に「1人でご飯を食べているおじいちゃん、おばあちゃんのために何かできないか」と持ち掛けたことが始まりだ。

 京子さんは夫の仕事を手伝い、顧客宅で電化製品の状態を確認したり修理の依頼を受けるなどの業務を担当。数年前から客の中に独り暮らしの高齢者が目立ち始め、生活上のさまざまな困り事を耳にするうちサロン開設への思いを強くしたという。

 常に元気で、笑顔を絶やさない京子さんだったが昨年1月、肺にかなり進行した深刻ながんが見つかった。医師から「余命はわずか」と宣告されたが京子さんは「絶対に治す」と強い意志で治療に向き合い、数カ月後には仕事復帰も果たした。

 そして、店舗を会場としたふれあいサロン設置構想の具体化に着手。同じ電器店を営む知人が花園町で手掛けるふれあいサロンに夫婦で参加して運営ノウハウを学んだり、立ち上げを支援する市社協職員のアドバイスを受けるなど準備を重ね、4月に発足させた。

 サロンには毎回、10人ほどの高齢者が参加。表町や若草町など近隣を中心に市内各地から京子さんを慕う顧客が集まる。日新町の梶川撤男さん(77)は「京子さんはいつも親切だった」と回顧。若草町の高橋和子さん(89)も「とても楽しい場所をつくってくれた京子さんに感謝しています」と目を細めた。

 「やっと軌道に乗ってきた」と嘉指社長。今後はサロン構想と合わせて夫婦で思い描いた、電器店の全国ネットワークを生かした高齢者見守りシステムの構築にチャレンジする考え。「妻を亡くした悲しみもこうして人の輪の中にいると、少しずつ癒やされるよう。妻の分まで、地域のお年寄りのためになる活動を続けたい」と力を込めた。

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