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樽前山麓で大規模倒木 8日の暴風影響

2015/10/21配信

 8日の暴風の影響で、樽前山麓の森林に大きな被害が出ていたことが、道森林管理局胆振東部森林管理署(白老町)などの調査で分かった。同管理署によると、苫小牧市内の国有林で被害が目立ち、1カ所で約2000本の風倒木を確認した場所もある。管轄する山麓の森林にはこの他、十数カ所に被害が出ているとし、倒木の規模はさらに膨らむ見通し。関係者は「2004年の台風18号による大規模被害以降、最大の災害」とショックを受けている。

 8日の暴風は、台風23号から変わった温帯低気圧による影響。苫小牧では最大瞬間風速28・0メートルを記録し、市内では強風で街路樹が根こそぎ倒れたり、住宅の損壊、停電などが相次いだ。

 同管理署は13日から、管轄する苫小牧市内などの約6万3000ヘクタールの国有林の被害調査を開始。市内西部の口無沼付近では、約2ヘクタールの範囲でトドマツやアカエゾマツなど針葉樹を中心とした約2000本の倒木を確認した。全域の調査を終えていないものの、現段階で十数カ所でまとまった被害が出ているという。

 被害は国道276号(支笏湖通)以西の苫小牧市街地側の広い範囲で発生しており、「1960年代以降に植林した高さ10メートルを超える針葉樹など、人工林を中心に被害に遭っている」と言う。

 暴風による森林災害では、04年9月の台風18号が樽前山麓など支笏湖周辺の森林約1万ヘクタールに甚大な被害をもたらした。同管理署の佐藤淳一次長は「今回は11年前の規模には及ばないだろう」とみており、11月中にも全容を把握し、降雪が本格的に始まる来年1月までに倒木処理を終えたい考えだが、「状況によっては、終わらない可能性もある」と言う。

 再び被災した樽前山麓について「火山灰土壌が広がる山麓の樹木は根の張りが浅く、暴風の影響を受けやすい」と分析し、「強い森林づくりを目指して早期再生を図りたい」と話す。

 石狩森林管理署が管轄する国有林でも広範囲に被害が出ている。支笏湖周辺の森林で約100本の集中的な倒木も確認し、石狩森林管理署は「苫小牧ほどではないが、人工林を中心に広い範囲で被害が見られる」と話す。

 樽前山麓の森林に連なる苫小牧市管理の高丘森林公園でも、「100本以上が倒れた」(市緑地公園課)。錦大沼公園でも発生しているとし、04年以来の大きな被災に頭を抱えている。

 一方、厚真、安平、むかわの3町の道有林を管理する胆振総合振興局森林室(苫小牧市矢代町)は「目立った被災はなかった」と言う。

 苫小牧の森林に被害が多かった理由について、室蘭地方気象台は「苫小牧は日本海側、石狩平野からの風が流れ込みやすい地形。8日も石狩平野からの強い北風が吹き、それが影響したのでは」と話している。
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