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平取町の川奈野さんに知事賞 オヒョウの皮で織物 アイヌ工芸展

2015/2/10配信

 北海道アイヌ協会と道は9日、第48回北海道アイヌ伝統工芸展の入賞作品を決めた。伝統工芸品部門の最優秀賞(道知事賞)に、平取町荷負の主婦川奈野元子さん(75)の織物アットゥシが選ばれた。

 アットゥシは、オヒョウの皮で作ったもので、樹皮から糸にするだけでも2カ月を要し、さらに反物に織り上げ、縫製するのにそれぞれ2カ月かかるという労作。オヒョウの樹皮を採取するところから数えると、1年以上の制作期間が必要という。

 川奈野さんが工芸展に出品するのは2012年度に続いて2回目。今回初入賞で最高賞を射止めた。

 アットゥシは、材料の樹皮から糸に仕上げるのは通常、機械を使ってよっていくが、川奈野さんは全て手作り。丈夫な部分はあえてよらないようにしたため、「織り込む時に糸が絡みつき、余計に時間がかかってしまった」と話す。

 審査委員からは「手仕事の迫力を感じさせる力作。素材の持ち味が十分生かされ、技術的にもしっかりしている」(浅川泰北海道文学館学芸員)と絶賛されたが、川奈野さんは「自分で作ったものを、自分で評価するのはなかなか難しい。ただ、近所の人がすごいね、と言ってくれたことがうれしい」と笑顔を見せる。

 採取したオヒョウの皮で今も糸作りをしているが、労を要する手仕事だけに、「来年も出品するかは、まだ決めていない」という。

 今回の工芸展では、伝統工芸品部門に19点の応募があり、平取町の関根真紀さんが出品したイタ(盆)が優秀賞(道教育委員会教育長賞)、同じく平取町の藤谷誠さん制作のイタが奨励賞を受けた。

 また、一般工芸品部門には19点の応募があり、釧路市阿寒地区の小林慶子さんの作品ショルダーバッグが最優秀賞となった。
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