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「僕だけがいない街」4巻で90万部 苫小牧出身の三部けいさん作コミック

2015/1/9配信

 苫小牧市出身、千葉県在住の漫画家、三部(さんべ)けいさんのサスペンスコミック「僕だけがいない街」(KADOKAWA刊)が累計90万部を超える大ヒットとなっている。約25年前の苫小牧を思わせる風景が至るところに登場する作品。書店員などが選ぶ「マンガ大賞2014」で2位になり、第5巻が昨年の暮れに発売された。三部さんは苫小牧民報社の取材に文書で「地元の方には、似た景色を思い浮かべて『この年頃、自分はこんな事してたなあ』と思い出して読んでもらえるとうれしいです」と思いを伝えた。

 三部さんは高校時代まで苫小牧で過ごした。「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な漫画家、荒木飛呂彦さんのアシスタントを務めた経歴を持つ。

 大ヒット作は、母親が殺された事件の容疑者になった主人公が過去(1988年)の小学生時代に舞い戻り、真犯人を追う物語。2012年に漫画雑誌ヤングエース(KADOKAWA)で連載が始まり、13年1月にコミック第1巻が発売された。

 JR苫小牧駅や王子スケートセンター、美園小学校などを思わせるような風景が描かれ、1988年当時の建物も登場している。主人公が通う小学校のグラウンドや校庭のモデルのベースは、三部さんが小学4年生まで通った美園小。「ほかのいろいろな学校も混ぜてモデルにしており、同様に街も住宅地や学校など配置を変えています。(サスペンス)作品の性質上、マイナスイメージが付く可能性を考え、連載スタート時からシンボリックな物(樽前山や製紙工場の煙突など)は描かないことに決めていました。今思うと描いていても大丈夫だったですが(笑)」。今は無くなっている風景も、「人と楽しく接した場所だった」と記憶に強く残る大切な場所として描いている。

 見どころは「読む人によってさまざまだと思いますが、ミステリーやサスペンス、友情や家族愛など、入り口は広めに描いているつもりで、どこか一つの要素でも楽しんでいただけたら」という。

 この世界に入ったことについて「小学生の頃から落書き程度には描いており高校卒業後、アルバイトを転々としていた中で『長続きするものは何だろう?』と考え、漫画業界にアシスタントとして入りました。子どもの頃、『ほんの数回、漫画絵を褒められた』ことが、漫画家を目指す原動力になっていたと思います」という。

 「描いていて何が一番楽しいかというと『今回はうまく描けたけど、次はもっとうまくやれる』感が日々更新されて尽きないこと」と今の様子を伝え、「どんどん面白いものを描いていく所存です(笑)」と意欲的だ。

 コミック第5巻はB6判194ページ、580円(税抜き)。市内柳町の未来屋書店などで販売している。

 さんべ・けい 第40回「手塚賞」佳作。第41回「手塚賞」準入選。現在、「僕だけがいない街」のほかに月刊ビッグガンガン(スクエア・エニックス刊)で「STEAL AND DEAD」を連載中。代表作に「カミヤドリ」(角川書店刊)などがある。
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