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苫小牧沖地層にCO2封じ込め 日本初プロジェクトのCCS実験施設着工

2014/7/3配信

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を、地中深くに封じ込める技術(CCS)の実証実験を2016年度から苫小牧沖でスタートする日本CCS調査(東京)は2日、苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所敷地内で、施設の建設に着手した。国が温暖化対策の切り札に掲げる日本初のプロジェクトで、その動向は国内外の注目を集めそうだ。

 建設するのは、排出ガスからCO2を分離、回収する機能を備えた「分離・回収基地」などの地上施設と、回収したCO2を海底下に送り込む地下施設の「圧入井(あつにゅうせい)」。

 国内では過去に、CO2だけを閉じ込める小規模なテストが新潟県長岡市で行われているが分離、回収から貯留まで一貫した実験は初めて。

 施設は15年度内に完成させ、16年度から18年度までの3年間で30万トン以上を封じ込める。

 この日着工したのは地上施設で、出光興産北海道製油所に隣接した敷地3.8ヘクタールに建設する。圧入井は8月末にも掘り始める。

 分離、回収基地では、製油所の水素製造装置からパイプラインで提供を受けた排ガスをCO2とそれ以外に分け、CO2を苫小牧の沖合3~4キロの地点に延びる圧入井を経て海底1100~1200メートルと2400~3000メートルの地層2カ所に送り込み、貯蔵する。

 実験は経済産業省の委託で行う。国内115カ所から候補地から絞り込まれ、総事業費は約450億円。

 地層への影響調査も経て実験を成功と判断できれば、経産省は20年度以降の実用化を目指す。

 この日、現地で行われた起工式には国や道の関係者を含む約70人が出席。実験などをバックアップする、苫小牧CCS促進協議会の会長を務める、岩倉博文苫小牧市長は「世界的プロジェクトが苫小牧で展開されることに、わくわくしている。施設の工事や視察に大勢が訪れることに伴う、地元での経済効果にも期待したい」と話す。

 CCSは米国や欧州では既に実用化されているが、地元には高濃度のCO2が漏れ出すことへの不安もあり、日本CCS調査広報渉外部は「情報公開にも努める」としている。
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