ネパール人医師のマハルジャンさん 苫小牧で技術研修中、がん治療専門医目指す
2019/7/20配信
苫小牧ネパール協会(尾崎徹会長)の支援で来日したネパール人医師のスニル・マハルジャンさん(28)が今月から、苫小牧日翔病院(苫小牧市矢代町)で医療技術の研修に励んでいる。今後、他の病院にも出向き、9月中旬まで最先端のがん治療などを学ぶ予定で「身に付けた技術をネパールに持ち帰り、多くの人たちの医療に役立てたい」と意気軒高だ。
マハルジャンさんは、ネパールの首都カトマンズの南隣パタン市出身。経済的に貧しい家庭に生まれ、小学3年生だった2001年から中学校を卒業する06年まで同協会の就学物資援助を受けた。
協会は衣類や靴、ノート、鉛筆、教科書など学校生活に必要な物一切を提供。中学卒業後も尾崎会長(75)が定期的に経済支援を続けた。無事、高校、大学へと進学して2年前にはネパールの医大を出て医師免許を取得。同国の国立病院に医師として勤務してきた。
地道に医師としてのキャリアを積んできたがこのほど、本人から「ネパールではまだ少ない、がん治療のスペシャリストになるため日本の病院で学びたい」との申し出があった。同協会は8年前にも女性看護師を研修生として受け入れた実績を持つ苫小牧日翔病院に協力を要請。病院側の快諾が得られ1日に来日し尾崎会長の会社、尾崎測量設計事務所(花園町)に滞在しながら同病院に通う。
主に外科の研修で胃がん、大腸がん、ヘルニアなどの手術を見学。高度な治療技術修得へ実際の手術現場に立ち会い、英語や不慣れな日本語で担当医と積極的にコミュニケーションを図っているという。
指導に当たっている崎浜秀康外科部長(52)は「大変真面目で勉強熱心」と話す。
マハルジャンさんは「最先端技術を学べる日本の研修はとても刺激になっている。日本人はとても親切。尾崎会長らの援助に感謝している」と語る。
帰国後は、がん治療の専門医としてネパール国内で活動する。将来の夢は医大の教授という。市内には9月20日まで滞在し、市立病院や札幌の北大病院での研修も予定している。
尾崎会長は「小学生の頃から成長を見守ってきたので、頑張って医者になってくれてうれしい。帰国後の活躍にも期待したい」と語る。
同協会は、1997年の設立以来、ネパールの小中学生135人に就学援助を行ってきた。