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苫小牧市双葉町「玉屋」創業100年 和菓子とケーキ新しい味に挑戦

2018/5/7配信

 苫小牧市双葉町3の菓子店「玉屋」が今年で創業100年を迎えた。洋菓子専門で3代目の五十嵐貴之さん(45)と、和菓子作りを担当する母サツ子さん(79)の親子2人が生み出す老舗の味を求め、市内外から多くの客が店に足を運んでいる。節目を契機に現店舗のリニューアルも検討しており、貴之さんは「これまで以上に地元の人に親しまれる店を築き上げたい」と意気込む。

 玉屋は、初代の故・島本京治さんが1918(大正7)年に苫小牧の大町で開業した。山形県羽黒町生まれのサツ子さんは、母親と島本さんの妻がいとこ同士という縁で53年、15歳で同店に就職。和菓子職人で2代目を継いだ故・五十嵐政義さんと64年に結婚し、店を切り盛りした。

 66年に矢代町へ店を移し、さらに84年に現在地の双葉町へ移転。新しい店を建てたが「借入金の利息だけでも大きな金額。夫婦の二人三脚で汗水を流して懸命に働き、何とか返済できました」とサツ子さんは当時を振り返る。

 長男の貴之さんは苫小牧工業高校と東海大学でアイスホッケーに没頭していたが、就職活動の際「手に職を付けたい」との思いで、父親の政義さんと同じ菓子職人を目指した。函館市の洋菓子店「ペシェ・ミニョン」でフランス菓子作りを7年間修行。がんで亡くなった政義さんの後を継ぎ、2002年に29歳で3代目に就いた。

 貴之さんは商品の開発にも熱心に取り組んだ。得意な絵の腕前を生かし、似顔絵やキャラクターをあしらった誕生日ケーキを考案。札幌や室蘭から買い求める客もおり、月40~50個売れている。また、イヌやネコの肉球を再現した「肉球クッキー」など新作を次々と生み出し、最近はココア生地でチョコレートとあんこを包んだ「ちょこどら」も好評という。

 サツ子さんが作る和菓子も根強い人気。同店名物の「しばれもなか」や「中華まんじゅう」のほか、かしわ餅など旬の商品をそろえる。

 貴之さんは、若い頃の修業先だった函館市の洋菓子店に頼まれ、14年から16年にかけて札幌市のフレンチレストランでケーキ作りを若手に指導。商品開発にも携わった。その間、玉屋は和菓子だけの販売となったが「修業先に恩返ししたい思いと、自分の成長につながると考えました」と言う。玉屋に戻り、1年前から妻の美千代さん(34)も加えた3人で店を営む毎日だ。サツ子さんは「息子の嫁はよく気が付く働き者で、大変助かってますよ」と目を細める。

 貴之さんは100周年を契機に、店の建て替え構想を抱く。近隣住民が菓子を味わいながら一息付けるイートインコーナーを設けたいという。「苫小牧の洋菓子の発展に貢献しつつ、和菓子の伝統を守りたい。洋菓子の技術を組み合わせた新しい和菓子も生み出したい」と意気込む。

 苫小牧で100年続いた菓子店は貴重な存在。顧客も玉屋の大きな節目の年を喜ぶ。店を訪れた新開町の女性(65)は「孫がここのシュークリームとべこ餅が大好き。本当に美味しくて、これからも長く営んでほしい」とエールを送った。

 同店の定休日は月曜。問い合わせは電話0144(32)7333。

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