実と花が同時に 駅北広場の梨の木に珍現象-白老
2018/10/22配信
白老町のJR白老駅北側にある駅北広場内の梨の木が、実を付けると同時に小さな白い花を咲かせている。不思議な現象に地域住民も驚きの表情で眺めており、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門企画連携室の吉岡博人氏は「この時期の花芽は休眠に入る前。葉が落ちたり傷つくなどして開花の抑制機能が利かなくなったのでは」と話している。
梨の木は、駅北広場内のSLポロト号近くの道路沿いに面した場所に2本植えられているが、町によると品種や樹齢、どういった経過をたどって植えられたかなどは不明だという。町は剪定(せんてい)や肥料を入れるなどの管理も行っていない。
花が咲いているのを発見したフラワーマスターで町役場OBの三宅誠一さん(75)は「この広場ができた時に町が植えた果樹。長くここに住んでいるが、秋に花が咲いているのは初めて見た」と驚いている。
この現象について吉岡氏は「本来この時期は、葉から花芽が開花しないよう抑制ホルモンが出ているが、台風などの影響で葉が落ちたり傷ついたりして、その機能が働かなくなった場合にまれに開花してしまうことがある。今回の梨の木も何らかの影響で開花を抑制していた機能が働かなくなったのではないか」と説明している。