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千歳・恵庭

感じたままを毛糸絵画に 障害抱える池辺遊さんが作品展

2015/11/6配信

 生まれつき難病と知的障害を抱える東京の池辺遊さん(18)の絵画展が8~15日、恵庭市恵み野西1のふれあい工房(国府田稔主宰)で開かれる。毛糸を切り貼りして絵にするメキシコの「ネアリカ」という技法で、広島の原爆ドームや長崎の浦上天主堂などを描いた。国府田さん(82)は「遊君が生きる証しとして創作した感性豊かな作品を、多くの人に鑑賞してもらいたい」と呼び掛けている。

 池辺さんは進行性難病の結節性硬化症と知的障害があり、難治性てんかんなどと闘ってきた。小さな頃から絵を描くのが好きで、小学5年生ぐらいの時にワークショップ(体験講習会)に参加したのがきっかけで、ネアリカに取り組むようになった。当初はA4サイズぐらいで創作していたが、2013年から大作に臨むようになった。

 当時は症状の悪化による車椅子生活を経て、脳腫瘍の手術を受けてリハビリ中だったが、かつて訪れた広島に心を引かれ、原爆ドームときのこ雲の大作「ヒロシマ」(縦約1メートル、横約80センチ)を描いた。背景はオレンジ色、原爆ドームは緑色、きのこ雲は灰色などの毛糸を切り貼りし、約1カ月かけて完成させたという。14年には「ナガサキ」(同)も完成させ、10月に道内では初となる作品展を札幌市のギャラリーで開いた。

 国府田さんがこのギャラリーを訪れ、「ぬくもりと優しさが伝わる素晴らしい作品」とほれ込んだ。主催者側の「札幌だけで終わらすのはもったいない」の言葉に共感し、同工房で作品の受け入れを快諾。同工房は「福祉と文化」が原点とあり、国府田さんは「絵から伝わる力をぜひ感じて」と呼び掛ける。

 このほど池辺さん自ら作品10点を搬入し、「(ネアリカを)作るのは大変だった。みんなに見てもらえればうれしい」と笑顔。8~15日午前10時~午後5時に「池辺遊の世界~毛糸絵画ネアリカとほとけさま~」をテーマに展示する他8日、15日は午後2時から札幌で朗読ライブなどに取り組む熊谷敬子さん(57)を招き、「おこりじぞう」(8日)、「ヒロシマの風」(15日)の朗読を予定している。

 入場無料だが、「感動料」として募金を呼び掛ける。
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