千歳市の元職員で、手作り絵本作家の萩原睦子さん（６１）＝札幌市＝が、自作の絵本「あわてんぼうのめんめ」を市内の認定こども園や子育て支援センター５カ所に寄贈した。代表して、認定こども園つばさ＝花園＝で贈呈式が行われた。

　萩原さんは、１９７７年に千歳市役所入り。市内の保育所や心身障害児通園施設に勤務し、８９年に退職した。絵本の執筆は７６年から手掛け、日本の絵本賞手作り絵本コンテストで内閣総理大臣賞、文部大臣賞を獲得するなど、さまざまな受賞に輝いている。今回、６月に石田製本＝札幌市＝から「あわてんぼうのめんめ」を初出版し、勤務していた千歳市への感謝の思いなどから贈呈を決めた。

　作品は、萩原さんが職員だった頃、末広保育所（現認定こども園つばさ）で出合った尾のない金魚をモデルにして子供も大人も楽しめるストーリーにした。「一生懸命に泳ぐ姿に感動した」と当時を振り返り、今作では尾のない金魚「めんめ」が再び泳ぐようになるまでの姿を描いた心温まる作品となっている。

　園児たちは２１日にあった贈呈式で、お礼に作品の好きな場面を表現した絵をプレゼントした。代表して年長組の中島斗麗君（５）が「きょうは、ありがとうございました」と感謝を伝え、水野千祥ちゃん（６）は「絵本を大事にします」と喜んでいた。

　この本は、出版元の石田製本のホームページから購入できる。Ａ５判、３０ページ。価格は税込み１２９６円。