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過去5年でわずか2件、利用低調 苫小牧市の賃貸住宅建設補助金制度

2019/5/15配信

 苫小牧中心部のにぎわい創出や定住人口の増加を目的に、市が2014年度に創設した「賃貸住宅建設補助金制度」の利用が低調だ。過去5年間で制度を活用した民間の賃貸住宅建設はわずかに2棟計80戸にとどまる。申請条件や人手不足を背景とした労務単価の上昇など近年の傾向がハードルになっているよう。ただ、同制度を活用した賃貸住宅は立地条件の良さから人気が高く、ほぼ空き室がない状態。担当者は「一定の成果がみられる」として、さらなる制度の活用に知恵を絞る考えだ。

 同制度はまちなか再生総合プロジェクト(CAP)の一環。CAPは商業環境の変化などにより、にぎわいが減った中心街の再生を目指す3カ年の計画。苫小牧では11年度にパート1が始まり、現在はパート3(17~19年度)が進行中だ。

 建設補助制度は、▽建設場所は中心部内に限定▽1棟当たり4戸以上▽住戸の床面積58・2平方メートル以上▽地元業者の活用―などの条件があり、これを満たせば1戸当たり100万円を補助する。例えば1棟4戸の集合住宅なら400万円が補助される。

 過去5年間では、17年2月に旭町のマンション1棟(72戸)、19年1月に栄町のアパート1棟(8戸)の計2件で同制度を活用した。いずれも市内の不動産事業者で担当者は「よい制度だ」と高く評価する。また、中心部は利便性の良さから居住ニーズが高いといい、「建てれば入居者確保の心配がいらない地域」と説明する。

 市の調査によると、旭町と栄町の2棟(計80戸)の入居者数は3月末時点で115人で、ほぼ空き室がない状態が続いているという。

 ただ、同制度の利用実績は伸び悩んでいる。市には毎年数件の問い合わせが寄せられるが、14、15、17年度の利用実績はゼロ。条件が合わずに断念するケースも多いという。制度を利用できるのは開設3年以上の市内事業所と事業所を有する法人で、個人は対象外。個人の資産形成に公金を使うことへの異論が考えられることや税の公平性を保つことが主な理由だが、「個人でアパートを建設する人のニーズもある」(市内不動産業者)という声も上がる。

 市は利用推進に向け、申請条件の見直しを重ねている。1棟当たりの認定基準も当初の「6戸以上」から「4戸以上」に緩和。対象エリアも従来のJR苫小牧駅周辺の約90ヘクタール以外に旭町や末広町、栄町など約84ヘクタールを追加し、174ヘクタールに拡張した。

 また、PRも積極的に展開。不動産関連業者や資金融資に関わる金融機関などへの周知にも力を入れる。市は18年度に関連業者113社(回答42社)対象の同制度に関する意識調査を実施。詳細を知っている業者は65%で、「タイミングが合えば」も含めて「利用したい」と回答したのは7割に上った。

 近年は人手不足や資材価格の高騰などで建設に係る費用が上昇し、住宅建設は高コスト化が進む。一定の需要はあるものの、予算面などで二の足を踏む事業者も多いとみられ、制度の利用環境はやや逆風気味だ。

 市は今年度、16戸分の補助枠を設け、昨年度より1カ月早く申請の受け付けを始めた。期間は10月15日まで。担当者は「地道に利用を呼び掛けていきたい」と話している。問い合わせは市まちづくり推進課 電話0144(32)6062。 

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