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苫小牧の地酒「美苫」12月20日ごろ発売 厚真の米使用、被災農家の思い込め

2018/11/8配信

 厚真産の米を使う苫小牧の地酒「美苫」。今年は胆振東部地震の影響で原料米の収穫量は半減したが、販売する北海道中小企業家同友会美苫みのり会(平田幸彦会長)が生産農家の思いを受け、12月20日ごろの発売を決めた。生産量は3割減となる見通し。同会は少しでも被災地復興につながるように、イベントの開催も企画している。

 美苫は苫小牧の水道水と厚真町の酒造好適米を使用し、田中酒造(小樽市)が醸造する地酒。「独自の日本酒を造り、地域を活性化させたい」と有志の思いから2001年に企画。02年1月の発売以降、毎年同会で春の田植えや秋の稲刈り、田中酒造の見学、新酒発売を祝うヌーボーパーティーなどを開催。多くの市民が参加して、自然の恵みや地酒がある喜びを実感してきた。

 米の生産は同町幌内の山本辰幸さん(77)と同町富里の佐藤泰夫さん(63)の農業者2人に依頼していたが、収穫直前の9月6日に胆振東部地震が発生。土砂崩れで山本さんが亡くなり、水田にも土砂が流入した。

 佐藤さんは無事だったが、親戚を亡くし、農機具が損傷するなど大きな被害に。ただ、美苫に使用する酒造好適米「彗星」の水田約1ヘクタールは奇跡的に無事で「うちの米しか使えない」と気持ちを奮い立たせ、10月上旬に収穫作業を行ったという。

 米の収穫量減少に伴い、今年の美苫生産量は500ミリリットル換算で前年度比2000本減の5000本になる見通し。9日に市高丘浄水場で取水を行い、醸造作業に入る計画だ。

 同会では、地震で被害に遭った厚真町や生産者2人の思いを踏まえ、美苫の販売や催しを通じて被災地支援を行う考え。加盟店で義援金を募り、今月中旬にも佐藤さん、山本さんの遺族に届ける方針。毎年12月に開いていたヌーボーパーティーは被災地復興を応援する形に見直す方向で検討中。厄払い美苫や甘酒は年明けに販売する予定だ。取扱店舗は苫小牧市や厚真町の小売店など23店。

 平田会長は「復興と支援は大きなテーマ。加盟店で義援金を集め、今までお世話になった2人に気持ちを届けたい」とし「ラベルに復興の文字を入れることも考えている。今年は特別な美苫になる」と力を込めた。

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