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JR室蘭線・沼ノ端―岩見沢の路線の維持訴え 沿線自治体と道、JRなど初の意見交換会

2018/5/31配信

 JR北海道が「単独では維持困難な線区」としている室蘭線沼ノ端―岩見沢間(67キロ)をめぐり、胆振と空知両管内の沿線自治体2市3町の首長と高橋はるみ知事、JR北海道幹部らによる初の意見交換会が30日、岩見沢市内で開かれた。岩倉博文苫小牧市長らは、住民の移動手段として重要な路線の維持を訴えたほか、両管内の沿線自治体が連携し今後の対応を協議する場の設置について検討することを確認した。

 意見交換会には、岩倉市長、安平町の及川秀一郎町長、岩見沢市の松野哲市長、空知管内栗山町の佐々木学町長と由仁町の松村諭町長をはじめ高橋知事、道の黒田敏之交通企画監、JR北の西野史尚副社長、北海道運輸局の斉藤敬一郎交通政策部長ら計11人が出席した。

 各首長からは、室蘭線について「高齢者の通院や学生の通学など地域住民にとって重要な移動手段」と路線存続を求める意見が相次ぎ、松野市長は「(存続に向けた)地域の負担を含め、具体的な議論に入っていかなければならない。沿線5市町で一体的な議論を行う場を新たに設置する必要がある」と強調。佐々木町長も「沿線自治体で協議の場をつくり、持続可能な公共交通の在り方、具体的な利用促進策の議論を進めたい」と提案した。

 岩倉市長は「議会や市民への説明責任を果たすため、赤字額の根拠を示してほしい」とJR側に要望したほか、路線存続を改めて求めた。

 一方、JR北の西野副社長は、乗客数が減少傾向にある室蘭線の現状について説明した上で「まずJRが最大限の経営努力をして、路線を維持するための費用負担について地域の協力を得ながら議論させていただきたい」と述べ、沿線自治体に協力を求める考えを示した。

 意見交換会の終了後、高橋知事は視察のため、JR岩見沢駅で室蘭線の苫小牧行き普通列車に乗車し、栗山駅で下車した。知事は「沿線自治体から協議体設置の具体的な提案があった。(道としては)胆振、空知両管内の垣根を超えた広域的な調整の役割を果たすことが重要。国やJRとの調整を積み重ねるきっかけにしたい」と述べた。

 室蘭線沼ノ端―岩見沢間は、室蘭(現・東室蘭)―岩見沢間の一部として建設され、1892年に全線開業した。1キロ当たりの1日平均輸送人員を示す輸送密度は1975年度で2508人だったが、減少傾向が続き、2016年度には477人まで落ち込んだ。同年度の収支状況を見ると、収入は1億2200万円で、費用は13億9000万円。12億6700万円の赤字となっている。

 JR北は16年11月、室蘭線を含む道内10路線13線区を「単独では維持困難」として公表。これを受けて室蘭線の駅を持つ苫小牧市など東胆振1市4町の首長らは同年12月、対応策を探る初の会合を開き、路線の維持を基本とする方針を確認。利用状況の調査結果を踏まえ、17年5月に路線の維持・存続を求める要望書をJR北に提出した。

JR室蘭線問題の経緯
16年11月 JR北が室蘭線沼ノ端―岩見沢を含む「維持困難路線・線区」を公表
     同 JR北幹部が苫小牧市を訪れ、岩倉市長に正式に説明
   12月 東胆振1市4町の首長が対応策を探る初会合を苫小牧市役所で開く
17年 1月 東胆振各自治体が列車利用実態を調査
    2月 JR北が室蘭線で今後20年間に要する鉄路修繕や車両更新費として計27億円と試算
    5月 東胆振1市4町がJR北に路線維持・存続を求める要望書を提出
18年 2月 道の有識者組織が室蘭線について「路線維持に努める」必要性を盛った報告書まとめる
    5月 東胆振1市4町が苫小牧で5回目会合を開き、室蘭線維持存続の必要性を改めて確認

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