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猫の多頭飼育崩壊、苫小牧市内でも相次ぐ 飼い主の生活に支障

2018/4/7配信

 家庭内で飼育している猫が過剰に繁殖し、適切に飼育できなくなる多頭飼育崩壊が苫小牧市内で相次いでいる。昨年12月には高齢女性宅で猫が50匹以上に増え、世話ができなくなっている事案が判明。市内のボランティア団体「猫の隠れ里」が緊急的に保護した。3月には17匹を飼う市民が同団体に保護を求めるケースも起きている。千歳市では飼い主側の生活に多大な影響が出ているため福祉の観点から、多頭飼育崩壊を防ぐ取り組みが進んでおり、苫小牧市でも同様の対策が急がれている。

 昨年12月、猫の隠れ里メンバーが訪れた多頭飼育崩壊が起きたアパートの一室。部屋に入ると激しい異臭が鼻をつき、足の踏み場がないほどの乱雑な環境の中に50匹を超える猫がいた。ふん尿や死骸もある中で60代女性が一人暮らし。日常生活を送ることができる環境にはなく、生活も破綻に近い状態だった。

 女性が猫を飼い始めたのは7年前。餌を与えていた野良猫が女性宅に居着き、そのまま交配を繰り返して自然に増えた。餌代などで生活は厳しく光熱費などを滞納し、電気やガス供給が止められることも頻繁にあるという。

 多頭飼育崩壊の現場を数多く見てきた猫の隠れ里の藤田藍代表(37)は「現場は地獄のよう」と厳しい表情で語る。過去には飼い主に捨てられ、置き去りになった猫たちが共食いしながら生き延びている場面にも遭遇。「生態や飼育方法などを知らずに、ただ頭数が増えたから飼えなくなるというのは無責任極まりない」と怒りをぶつける。「手に負えなくなる前の段階で猫も人も救える場面がある。それを見過ごしてしまう社会にも問題がある」と訴える。

 同団体には毎日のように保護依頼が寄せられ、最近は高齢者からの依頼が急増。高齢の飼い主が亡くなり、引き取り先のない多くの猫を保護するケースも出始めている。保護猫のほとんどは避妊手術をしておらず「多頭飼育崩壊になってもおかしくない状況」という。

 他の自治体でも同様の事態が起きている。千歳市では昨年、15匹の猫を飼う高齢男性宅で多頭飼育崩壊が発生。男性は介護サービスや福祉的支援が必要な状態で、地域包括支援センターの職員や訪問介護のヘルパーが頻繁に訪ねていたが、未然に防ぐことはできなかった。

 こうした事態を受け、市内の支援センターが福祉専門職のスタッフを対象に多頭飼育崩壊の予防対策セミナーを3月下旬に初開催。担当者は「これまでは目立った問題が起きるまでは本人任せだった」と説明。「福祉専門職がペットの飼育状況に着目することで早期発見につながり、多頭飼育崩壊を防ぐことにもなる」と述べ、福祉的な観点でも対策を講じる必要性を訴えている。

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