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揺れと停電-千歳・恵庭市民の記録 胆振東部地震

(12)生死に関わる危機に焦り 電動車椅子で生活・古田聖さん(56)

2018/10/9配信

 「こんなに停電が長いとは。すぐに復旧すると思っていました」。脊髄性進行性筋萎縮症で、動くのは右手だけ。移動は右手でレバー操作が可能な電動車椅子を使う。就寝中の誤嚥(ごえん)を防ぐため、吸引機でのたん吸引も不可欠だ。地震発生時、電力で作動する機器の充電は残りはわずか。停電となって、不安と強い危機感を覚えた。

 発生時は自宅で就寝中。揺れと音で目が覚めた。夜勤のヘルパーがおり「その点は安心でした」。千歳市内の自宅も自身の行政書士事務所も被害はなかったが、安全な場所への移動を考えていたところに余震が起きた。移動中の地震を警戒し、自宅待機を決めた。

 停電は必需品の使用に影を落とした。車椅子の充電はわずかのため、動くことを極力控えた。避難する際の一次避難所は北桜コミュニティセンター。充電に不安があったが「万が一の時は、行ける場所まで行こう」と腹を決めた。

 また就寝中はたんの吸引が必要だ。毎夜ヘルパーが電動の吸引機でケアを担う。飲み込めないたんが肺に入ると、誤嚥性肺炎になる可能性も。6日の段階で充電は「あと2日持たないくらいでした」。生死に関わる問題に焦りを感じ、深く眠らないよう気を付けた。だからこそ、7日夜に電気が復旧した際は「良かった。助かった」と胸をなで下ろした。

 障害のある当事者は災害時、避難や情報確保に支障が生じる可能性が高い。「地域の人と普段から関わり合いがあることが大切。地域の行事にも顔を出し、自分の存在を知らせることが必要です」と、地域社会の中で生きる重要性を話す。

 地震発生直後、地域の民生委員児童委員や町内会の福祉委員が安否確認で自宅に訪れた。「『大丈夫ですか』と声を掛けてくれた。町内会に目を向けてくれる人がいるのは安心でした」。災害を通して地域のつながりの意義を再認識している。

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 連載企画「揺れと停電」はいったん休止後、時機をみて再開します。

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