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その日私たちは-胆振東部地震の教訓

(2)食品スーパー 食生活の維持、継続を模索

2019/3/5配信

 胆振東部地震が起きた昨年9月6日、道内全域が停電する未曽有の事態に流通機能もまひ。その後、しばらくはどのスーパーやコンビニエンスストアでも食料品を中心に品薄となり、市民生活は混乱した。

 苫小牧市三光町のコープさっぽろステイ店には、震度5強の地震発生直後から職員が自主的な判断で、続々と集合。停電で信号機も機能しない暗闇の中、市外から駆け付けた職員もいた。

 国井晃店長(57)をはじめとする各部門の責任者は、同日午前6時に対策会議を実施。建物などに目立った被害が出ていないことを確認すると、速やかに店を開け、日用品などを提供する準備を始めた。

 通常は午前9時開店だが店外に長い行列ができており、同8時から正面入り口前でパンやインスタントラーメン、缶詰などの食料品、飲料、乾電池、おむつなど日用品を可能な限り並べた。

 停電によりレジが使えなかったため、端数のない価格設定で販売。購入数は1人10点までとし、非常時でも迅速、公平な対応を心掛けた。

 行列はピーク時に200人ほどに。商品は食料品を中心に飛ぶように売れた。職員たちは懐中電灯を片手に何度も店内、倉庫と売り場間を行き来し、商品を補充した。

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 翌7日、電気は復旧したが、物流は滞り、自社の工場も止まったまま。設備に大きな被害はなかったが、酒類などの瓶が割れ、解氷された冷凍、冷蔵食品は全滅。1000万円以上の損害が出た。販売できるものは少なくなっていた。それでも市民に必要な物があれば―と店を開け続けた。職員らは疲労困憊(こんぱい)していたが、客からの「大変な状況でよく店を開けてくれた」といった感謝の言葉に救われたという。

 その後、1週間程度、牛乳や豆腐、納豆、卵などの品不足が継続。販売制限を設け、より多くの人に商品が行き届くようにした。売り場に大きな混乱は見られなかったが、品ぞろえや入荷時期について、電話での問い合わせが1日100件以上も寄せられた。ホームページでの情報公開はしていたが、各商品の在庫状況など、より詳細な情報を求める声が多かった。

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 コープさっぽろの緊急時の対応は業務基準書にのっとり各店の判断に委ねられている。これまで全国の店舗が経験した災害を教訓に、その都度対応策を練ってきた。

 今回の地震による停電では、店内を照らす明かりは懐中電灯だけで足元しか照らすことができなかった。このため、同地震後は非常時もすぐに明かりを確保できるよう、各店にランタンを設置することが決まった。自家発電機の配備も順次進めていく考えだ。

 国井店長は、業務基準書の内容充実はもちろん、日頃から関係者が高い防災意識を持つことが重要だと考えている。緊急時の情報伝達、収集方法にも改善の余地はあると感じている。「食品スーパーなど小売店同士が連携することで、緊急時にできることも増えるのでは」

 市民の食生活をつなぐことが、スーパーの大きな役割。「地域の食生活の維持、継続のためにできること、すべきことをこれからも模索しながら営業していきたい」。
(松原俊介)

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