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ウトナイ湖サンクチュアリレンジャー通信

オーストラリアからやって来た! オオジシギ 爆音で求愛

2018/5/4配信

 ロシアなどへ旅立った水鳥と入れ替わるように、ウトナイ湖周辺では夏鳥の姿が見られるようになりました。主に本州以南や東南アジアなどから、繁殖のため渡って来たのです。その多くは到着後、雄は着飾った姿や美しい声(さえずり)で雌にプロポーズします。

 ただ、中には全く別の方法で雌にアプローチする夏鳥もいます。その代表がオオジシギ。ハトほどの大きさで、地中のミミズや虫を捕える長いくちばしを持ち、湿地や草地などに暮らすシギの仲間です。体全体は褐色と、かなり地味。さえずりも持ちませんが、それに代わる求愛の行動が非常に独特で、空高く舞い上がり、尾羽を震わせて爆音を出しながら急降下します。その様子から、北海道では「雷シギ」と呼ばれているのも納得です。

 オオジシギはウトナイ湖を含む勇払原野でも繁殖しており、幹線道路からも上空に小さな姿を発見することがあります。大きな音で気付く方も多いようです。一方、最近は数が少なくなったとの声も聞かれます。知らぬ間に絶滅寸前ということにならないよう、日本野鳥の会はオオジシギとその生息地を保全するため、2016年に保護調査プロジェクトを立ち上げ、昨年は勇払原野で調査を行い、生息する個体数が17年前と比べて約3割も減少したことを明らかにしました。また、子どもたちにもオオジシギへの関心を深めてもらおうと、今年は生態などについて楽しく分かりやすく紹介した小冊子を制作。先日、苫小牧市をはじめ道内のいくつかの市町村で、小学4年生(一部4~6年生)に無料配付したばかりです。

 オオジシギのスゴイところをもう一つ。この夏鳥の繁殖地は、主に日本(特に北海道)なのですが、さて、越冬地はどこかというと、実は南半球のオーストラリア。つまり、毎年、赤道を越え、とてつもなく長い距離を渡って来るのです。この春、ウトナイ湖では4月21日に初確認しました。追い掛けるように、今月中旬には中・高校生を含む11人がオーストラリアから来日し、日本の子どもたちと合同調査を行う予定で、さらに、市内の小学校を訪問するなど、国際交流も計画しています。今後の新聞記事やテレビ番組にどうぞご注目ください。ちなみに、オオジシギは「王子鴫」ではなく「大地鴫」。大きなジシギの意味で、王子様のシギではありません。念のため。

(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・中村聡レンジャー)

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