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国際観光都市を目指して-苫小牧IR市民セミナーから-

(上)苫小牧市国際リゾート戦略室長 町田雅人さん

2017/7/13配信

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指している苫小牧市が7日、IR市民セミナー(基礎編)を苫小牧市民会館で開いた。市国際リゾート戦略室長の町田雅人氏と、あずさ監査法人(東京)の小林篤史氏(公認会計士)が講師を務め、IRについて詳しく説明した。その要旨を3回シリーズで紹介する。

 ■人口減少が市民生活に影響

 苫小牧市は1910(明治43)年に王子製紙苫小牧工場が操業を開始して以来、素材型工業の中核都市として発展し、人口17万2000人を超える道内5番目の都市に成長した。この間、人口は微増を続けてきたが、2014年度以降は減少している。

 少子高齢化の進行は今後も予想され、税収減少や医療・福祉コストの増加など市民生活水準の低下を招く恐れがある。人口減少は、大学進学や就職を機にした若年層の転出が一つの要因で、流出に歯止めをかけるために雇用環境の充実が重要と考えている。

 本市の現状を見ると、すべての産業で雇用吸収力が低下している。工業、商業共に人口減少の影響が出ている。30年以降は道路、橋梁(きょうりょう)、上下水道など老朽化した公共インフラの更新を迫られるが、費用は現状の2倍が予想され、財源を確保しなければ対応できない。その結果、市民生活や産業活動、市民サービスに深刻な影響を及ぼす可能性がある。

 ■成長を見込める観光産業

 企業誘致などの各施策は今後も必要だが、新しい分野の可能性を追求し、人口の減らないまちの実現へチャレンジすることが重要だ。現状分析から想定される人口減少、若年層の流出、少子高齢化の進展、地域経済規模や市財政の縮小、インフラの老朽化、地域の魅力低下など負の連鎖を解消するには、ものづくり産業と並んで成長が見込める新たな産業を育てる必要がある。

 こうした中で今後、大きな成長が期待されているのが観光産業だ。国は観光政策を成長戦略の目玉に位置付け、観光立国を目指すとしている。苫小牧市も自然や食など観光資源を有するポテンシャルを発揮するため、国際観光都市づくりの検討が必要だ。

 北海道は観光地として十分な魅力があり、訪日外国人の来道数も近年著しく増加している。道は外国人観光客数を20年に500万人、30年には750万人に増やす目標を掲げている。北海道は観光立国を目指す上で十分なポテンシャルがあり、国が示す目標にも貢献できる可能性が高い地域だ。

 ■人口が減らないまちづくりへ

 苫小牧市は自然や食など豊かな観光資源や道内アクセス拠点の新千歳空港、大規模商圏を抱える札幌市に近いといった優れたポテンシャルを有しているが、十分に生かし切れていない。20年先も人口が減らないまちをつくるため、IR誘致を市の施策としてチャレンジしている。

 IRの導入効果として(1)住民生活の向上(2)観光産業の活性化(3)地域の基盤強化(4)苫小牧ブランドの向上―が期待できる。今年度の市長の市政方針では、国際リゾートの展開を成長戦略の柱として示した。今後、どのような青写真を描けば将来、さらなる発展を遂げていけるのか、そうした検討を進めていきたい。

 IRには雇用や税収増加など期待される効果と、ギャンブル依存症など社会的影響への懸念の両面がある。期待と懸念の内容が具体的にどのようなものなのかを市民に知っていただき、IRへの理解を深めてもらうため、さまざまなテーマでセミナーや出前講座を開いていきたい。

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