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あしたへ進む-苫小牧市19年度予算案

(5)児童虐待対策 相談体制を強化へ

2019/2/23配信

 国内で深刻さを増す児童虐待。北海道は昨年11月、室蘭児童相談所の分室を苫小牧に設置する方針を表明し、苫小牧市は早速、2019年度から児童相談体制の強化に動きだす。

 一つは、14年に閉院になった旧道立苫小牧病院(現・福祉ふれあいセンター)=双葉町=で院内保育所として活用されていた空き施設を改修、増築し整備する「児童相談複合施設」を21年度までに開設する計画だ。19年度一般会計予算案には同施設の実施設計費用約2400万円を計上した。

 同施設の最大の特徴は、市こども支援課の相談窓口と、道が運営する室蘭児相の分室を同じ施設内に設置する点だ。市職員と分室の道職員が迅速に情報共有を進め、これまで以上に連携を強めた対応、検討に当たることが可能になる。道内でも珍しい試みで、具体的な施設概要は今後の道との協議などを経て決まる見通しだ。

■   ■

 全国的にも年々増加する児童虐待。苫小牧も例外ではない。17年度の苫小牧市内の虐待通報の相談・受理件数は194件に上り、被害に遭った子どもの約半数が3歳未満の乳幼児だった。虐待内容の約4割が適切な養育を行わない養育怠慢(ネグレクト)で、加害者の約7割が実母だ。

 市は複合施設の完成を待たず、4月から市役所1階のこども支援課内に「子ども家庭総合支援拠点」の開設に乗りだす。16年度の児童福祉法改正で、同拠点の整備が市町村の努力義務となったことが背景にある。その役割は、支援を必要とする家庭の状況把握や相談対応、調査・指導、児相など関係機関との連絡調整を担うことだ。設置要綱を示している国は、基準を満たして開設した自治体に対し、事業費や人件費の一部を補助する。

 苫小牧市では、すでに社会福祉士や保育士など有資格者を児童相談員として採用。国の基準と同程度の人員配置を行ってきた経緯がある。同拠点の開設は円滑に進むとみられ、市健康こども部の桜田智恵美部長は「今後は相談員の専門性をさらに高めて他課との連携も強め、対応に当たる体制づくりを推し進めたい」と意欲を見せる。将来的に複合施設が開設した際には、同施設への移転も視野に入れている。

 また、19年度には産後うつを早期発見し、新生児への虐待予防を狙った新規事業も始める。出産後間もない産婦が産婦人科で受ける産婦健診で「エジンバラ産後うつ病質問票」を使い、うつ病リスクを見極める。医師がハイリスクと判断した場合、産婦の情報を市健康支援課と共有し、子育ての負担感や精神的な不安の軽減に役立つような市の支援制度を用い、深刻化を食い止めるのが目的だ。

 市内では年間に約1300人が出産しているが、産後うつ病のリスク調査は全産婦を対象にする予定。国の補助事業を用い、予算案に事業費650万円を盛った。

 道によると、胆振管内の自治体で同様の事業を実施しているのは厚真、壮瞥の2町で、苫小牧市が3カ所目となる。市健康支援課は「出産後は体と心、生活面に大きな変化が生じ、誰でもうつのリスクが高まる」と説明。「放置していると虐待に至る可能性もあるため、早期発見が何よりも重要」と強調する。

 苫小牧市では過去に、児童虐待で子どもが命を落とす事件も起きている。二度とこうした悲劇を繰り返さないためにも、さまざまな形の対策の必要性が増している。


19年度の主な児童相談関連事業

・児童相談複合施設整備事業(2380万円)
・産婦健康診査事業(650万円)
・養育支援訪問事業(100万円)
・児童虐待防止及びDV被害者保護活動事業(520万円)
・子育て短期支援事業(60万円)

(姉歯百合子)

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