7

17(水)

胆振の
明日の天気

曇り後一時雨

20 / 16

この1年-2018

(3)室蘭児相の分室、苫小牧設置を表明 悲願成就に喜ぶ市や関係団体

2018/12/22配信

 11月30日、定例道議会の本会議。高橋はるみ道知事は、室蘭市に置く室蘭児童相談所の分室を苫小牧市に設置する方針を表明した。東胆振・日高地域で、深刻化する児童虐待をはじめ、子どもに関する問題に対応する体制を整備するという考えだ。

 現在、道内に道立や札幌市の児相が計10カ所(分室含む)あるが、受け持ちエリアとしては室蘭児相の胆振・日高地域が最も広い。また、室蘭児相への児童虐待の通告・相談は、日胆の自治体の中で苫小牧が突出して多い。こうした事情から苫小牧への児相機能の開設は、市や関係団体の長年の悲願であった。

 実現を目指した要望活動も長く続いていた。市は2006年度から毎年、道に分室設置を要望。市民生委員児童委員協議会(市民児協)も13年度から、東胆振や日高の関係団体と連携し児相誘致の署名活動を展開した。苫小牧青年会議所は14年、実行委員会を結成し市内で児童虐待防止市民集会を開き、苫小牧への設置を求める要望書を道へ提出した。

 各方面の地道な活動が実を結んだことに、関係者の喜びもひとしおだ。時期はまだ未定ながら、開設を約束した高橋知事の表明を受けて市民児協の松村順子会長(67)は「みんなで力を一つにして取り組んできた成果が実り、うれしいの一言だ」と話した。

 ■保護者の負担軽減にも

 児童相談所は虐待への対応のみならず、心身の障害、非行、不登校といった18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に対応する施設だ。室蘭児相は16年度中に1437件の相談を受理し、このうち障害に関するものが535件で最も多い。

 市によると、療育手帳の取得や更新のため、児相の心理判定を必要とする子どもは年間で200~300人に上るという。これに対し、室蘭児相の担当者が苫小牧を訪れて判定業務に当たる巡回相談の定員は、年間で140人程度のため、苫小牧で判定を受けられない子どもは多い。

 こうした場合、保護者は子どもを連れて室蘭児相がある室蘭市へ出向き、判定を受ける必要があり、「障害のある子どもを室蘭まで連れて行くことは大変」「移動時間も含めると、判定のために丸1日かかってしまうのは、就労の関係からも厳しい」といった声が保護者から市に寄せられていたという。

 市の担当者は「分室ができれば児童虐待への対応強化にとどまらず、心理判定を必要とする子どもや保護者の負担を軽減できるようになるのでは」と期待する。

 ■市の取り組み強化を求める声も

 室蘭児相への相談で、障害に次いで多いのが児童虐待。苫小牧への分室設置で、虐待問題に向き合ってきた関係者らは、市の取り組みの充実も求める。民生委員児童委員として長年、虐待問題に関わってきた市内山手町の高橋雅子さん(82)は「苫小牧では虐待に至る前の早期の対応や、親が再び暴力に手を染めないような支援が立ち遅れている。分室の設置を機に、市には新たな支援策に着手してもらいたい」と訴える。

 道は現在、設置場所や開設時期、規模などを検討中。市は、児童相談部署を分室に置くことを視野に、道側と協議を進める考えを示しており、道と市の連携で子どもを守り、親をサポートしていく体制の深化が期待される。

(姉歯百合子)

週間ランキング

集計期間 07/10〜07/17

お知らせ

受付

苫小牧民報社から